■大切な命のために今できることを
1月1日に発生した石川県能登地方を震源とする地震。自衛隊や行政機関などが被災地に入り、支援活動が行われています。本市からは危機管理課職員2人を、石川県能登町の災害対策本部に派遣しました(1月6日〜10日)。
大野城市でも、警固断層を震源とした大地震が起こる可能性があり、大きな被害を受けることが予想されています。
災害対策本部の支援を通じて感じた被災地の現状と、「今」できる地震への備えについてお知らせします。
■現地 避難所の状況
地震によって、能登半島の生命線となる「のと里山海道」や国道が寸断され、迂回路も渋滞。救助活動や支援物資の輸送に大きな支障が生じました。
断水や停電、支援物資がなかなか届かない状況の中、避難所では、2つの課題が生じていました。
●食料の問題
1月6日時点では、国からのプッシュ型支援でおにぎりやパンが届いていましたが、発災から1週間が経っても炭水化物ばかりでした。たんぱく質やビタミン、食物繊維などが不足すると、便秘や口内炎などの不調も起きやすくなります。
◇対策 非常食として缶詰や野菜ジュース、サプリメントなど、栄養バランスを意識した食料の備蓄を各家庭で備えましょう。
●トイレの問題
トイレが不衛生になると、さまざまな問題が起きます。
◇トイレを控える行動
飲食を我慢するようになり、水分不足、エコノミークラス症候群や誤嚥(ごえん)性肺炎のリスクが高まります。
◇感染症の発生
避難所などでは、ノロウイルス感染症が疑われる急性胃腸炎が発生しています。
◇対策 袋式の「携帯トイレ」などを、各家庭で備えましょう。
■耐震化は大丈夫ですか
耐震化されていない古い建物の倒壊が多く見られました。
命を守るために、建物の耐震性の向上、家具の転倒防止など、「今」できる備えを始めましょう。
市には、旧耐震基準の木造戸建て住宅の耐震改修工事費に関する補助金制度があります。(詳しくは、6ページに掲載しています。)
■ポイント解説
●火災の防止
輪島市では地震による、大規模火災も発生しました。
大規模地震発生時には、火災が同時に多くの場所で発生する恐れがあります。
また、地震による停電から電気が復旧することによって、ショートして火災が起きる「通電火災」の恐れもあります。
●通電火災防止のポイント
◇停電時
・停電時はブレーカーを落とし、電気機器のスイッチを切りコンセントを抜く。
◇再通電前
・電線、引込線、屋内配線の断線や損傷、分電盤の濡れがないか。
・機器本体や配線に損傷はないか。
・電気機器が一度水に浸かってないか、周囲に燃えやすい物はないか。(水に浸かると内部が故障している可能性がある。)
■見舞金・義援金
●災害見舞金の贈呈
地震による被害が大きく、本市職員が支援した石川県能登町に、200万円の災害見舞金を贈呈しました(2月9日付)。
●令和6年能登半島地震災害義援金
地震で被災された皆さんを支援するため、石川県への義援金募金箱を設けています。皆さんの協力をお願いします。
◇大野城市義援金
期限:3月31日(日)
設置場所:市役所本館1階ホール・各コミュニティセンター
※2月1日(木)に、38万6421円を石川県へ送金しました。
◇日本赤十字社義援金
期限:12月26日(木)
設置場所:まどかぴあ・心のふるさと館・市総合体育館
※1月31日(水)に、8万4215円を石川県へ送金しました。
■災害が起きた時に取るべき行動
●地震発生
◇最初の大きな揺れは1分間
・まず、身を守る
机の下に入る
クッションや雑誌などで頭を保護する
家具やガラス面から離れる
●発生1~2分
◇揺れが収まったらまず火の始末
・脱出口を確保する
・火元を確認する
・家族の安全を確保する
・靴をはく
●発生3分
◇隣近所の安全確認 火災の発生を防ぐ
・隣近所に声をかける
・近所に火が出ていたら初期消火
・余震に注意
・非常持出品を用意する
●発生5分
◇ラジオなどで正しい情報を入手
・正しい情報をつかむ
・電話はなるべく使わない
・家屋倒壊などの危険があれば避難
●発生10分→発生数時間→発生3日くらい
◇協力して消火 救出・救護活動
・助け合いの心が大切
・水・食料は蓄えているもので
・壊れた家には入らない
・災害情報・被害情報の収集
■地震対策 今すべきこと
●家具の置き方を工夫
地震災害では、家具倒壊により下敷きになって亡くなったり、大けがをしたりしています。
大地震では「家具は必ず倒れるもの」と考えて、転倒防止対策が重要です。
◇ポイント
・家具は壁に固定する。
・寝室や子ども部屋には、できるだけ家具を置かない。置く場合は、背の低い家具とし、倒れた時に出入り口をふさいだりしないよう、向きや配置を工夫する。
※手の届くところに、懐中電灯やスリッパ、ホイッスルを備える。
●水・食料の備蓄 非常持出品の準備
電気やガス、水道などのライフラインの停止に備えて、飲料水や保存食を備蓄し、避難するための持出品を準備しましょう。
◇備蓄の例(人数分用意)
・飲料水 3日分(1人1日3リットルが目安)
・非常食 3日分(アルファ米などのご飯・缶詰やレトルトのおかず・菓子類 など)
・トイレットペーパー・ティッシュペーパー・マッチ・ろうそく・カセットコンロ など
◇ポイント
・大規模災害発生時には、「1週間分」の備蓄が望ましいとされています。
・飲料水とは別に、トイレを流したりするための生活用水も必要です。日頃から、水道水を入れたポリタンクを用意する、お風呂の水をいつも張っておくなどの備えをしましょう。
■非常持出品の準備
自宅が被災したときは、安全な場所に避難して生活を送ることになります。
家族状況に応じて、必要なものを非常時用リュックサックに詰め、すぐに持ち出せるようにしておきましょう。
◇ポイント
スマートフォンが、情報収集や連絡の重要なアイテムとなります。「モバイルバッテリー」の常備が有効です。
※リストなど詳細は本紙P.4をご覧ください。
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