■押し寄せる少子高齢化の波
日本は、平成22年に高齢化率(総人口に占める65歳以上の人口割合)が23パーセントを超え、「超高齢社会」に突入しました。そこからさらに伸び続け、昨年10月時点の総人口・1億2435万人に対し、65歳以上の人口は3623万人で、全体の約29パーセントを占めています。
一方、出生数は昭和48年以降右肩下がりで、現在もなお全国的な少子化に歯止めがかからず、昨年の出生数は72・7万人。これは、昭和48年の出生数の約3分の1で、今後も減少していくものと見られています。
内閣府が発表した「令和6年度版・高齢社会白書」によると、2070年に国内の人口は8700万人まで減少し、高齢化率は約39パーセントになると推計しています。そうすると、どのような事が起こるでしょう?人口減少に伴い労働力人口も減少し、結果、日本経済は衰退してしまいます。
・出生数の推移(全国)
・高齢者人口および割合の推移(全国)
■日本経済を支える、在留外国人の存在
日本経済を共に支えてくれているのが、在留外国人の存在です。深刻化する労働者不足の解消のみならず、地域社会の担い手としても活躍が期待されています。広川町の経済だけで見ても、製造業や農業、接客業など、多くの在留外国人に支えられて成り立っています。
昨年の全国の外国人労働者数は、約204万人で過去最高を記録。福岡県も6万4990人で過去最高を記録しました。
広川町の在留外国人数は460人で、町の人口の2・4パーセントを占めています。15か国の人が暮らしており、98パーセントの人がアジア圏で、その半数近くがベトナム国籍の住民です。
異なる文化を持つからこそ学ぶべきことが多くあり、その貴重な意見を地域や会社などに反映できれば、国際的な視野を身につけることができます。
・広川町の在留外国人数の推移
・令和5年の在留資格別外国人労働者の構成比(全国)
■広がる多文化共生の輪
在留外国人の増加に伴い、全国各地で多文化共生の輪が広がっており、広川町でも国境を超えた人と人のつながりがあります。このページでは、広川町で行われている多文化共生の取り組みや、広川町で生活する外国人の声などをご紹介します。
○「緑ヶ丘区いちご狩り体験」
場所:くだもの村ハウス
4月29日(祝)、地域の小学生17人・中学生5人・ネパールからの特定技能生3人が参加し、いちご狩り体験が行われました。
ネパール出身の、ラナさん・タパさん・ボホラさんは、3人とも日本語がとても上手で、積極的にコミュニケーションをとっていました。
母国のネパールでも、よくいちごを食べるそうですが、「こんなに大きないちごは見たことがありません!」と日本のいちごの大きさにおどろいていました。
○日本とネパールの違いは?
ネパール料理は辛いものが多く、日本の料理は甘い味付けの料理が多いため、戸惑いがありました。普段はネパール料理を作ることが多いですが、お寿司やラーメン、うどん、天ぷらなど、大好きな日本の料理もたくさんあります。
お休みの日は買い物をしたり、作物を育てたりして過ごしています。3人とも英語が話せるので、日本語が難しいときは英語で会話をすることで対応しています。
○「おうちの人と国際交流とスポレク教室」
場所:下広川小学校体育館
7月13日(土)、広川町と協定を結んでいるラグビーチーム「ルリーロ福岡」のナキ選手に、母国であるトンガの話を聞いたあと、親子参加型のスポレク教室を行いました。
ナキ選手は、写真を使いながら日本とトンガの文化の違いを分かりやすく説明し、子どもたちは真剣に聞いていました。
そのあとに行われたスポレク教室では、大人も子どももいっぱい体を動かして、笑顔いっぱいの教室になりました。
○「一條区の夏祭り」
場所:一條区公民館前
7月28日(日)に行われた一條区の夏祭りに、ベトナムからの実習生4人が参加しました。
夕方からの開催とはいえ、まだまだ暑さが残る中、汗を流しながら一生懸命に唐揚げとフライドポテトをつくりました。一條区の皆さんと楽しみながら、たくさん作れたようです。
お祭りの最後は、みんなで盆踊り。最初は戸惑いながらも、周りの人を見ながら上手に踊っていました。4人とも素敵な夏の思い出になったようです。
○「広川かすり祭」
場所:広川町産業展示会館
9月14日(土)・15日(日)に行われた広川かすり祭に、ベトナムからの実習生5人が参加し、着付け体験を行いました。
5人は、初めて着る久留米絣の着物をとても気に入った様子で、ポーズをとりながら着付け体験を楽しみ、ベトナムの伝統民族衣装である「アオザイ」も披露してくれました。
最後は、かすり祭の舞台に登壇し、広川町の皆さんに流ちょうな日本語であいさつしてくれました。
問合せ:生涯学習課生涯学習係
【電話】0943-32-0093
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