■女性の健康づくり(3月1日~8日は「女性の健康週間」)
◇冷える生活をしていませんか?
「手足が冷えて眠れない。全身が冷えて毎日だるい」夏冬問わず、冷え症などの悩みを持つ女性が増えています。冷え症は、病気や不妊の原因になることもありますので注意が必要です。
◇冷えの原因は…
最近では外の気温が30度を超えている日でも、冷えを感じる「夏冷え」が増えていますが、「夏冷え」も「冬冷え」も同じ原因で起こっています。電車や外出先の室温は、女性の体には低い設定です。女性は男性よりも筋肉量が少ないので、体のなかで熱を生み出せる量も少なく、冷えやすくなります。寒暖差が7度を超えてしまうと、自律神経がうまく働かなくなり、体温調節の機能が低下してしまいます。
女性の場合は、冷え症が悪化すると、卵巣の機能が低下する可能性もあります。卵巣の機能が低下すると、女性ホルモンのバランスが崩れ、月経痛や月経不順などのトラブルに進んでしまうこともあります。
◇体を温める食べ物とは?
体内の熱は、食べ物に含まれるさまざまな栄養素を吸収・代謝することによって生み出されています。食事の内容を工夫することで、冷え体質の改善を期待できます。
(1)筋肉のもとになる食べ物
納豆・豆腐・味噌などの大豆製品:体温を上げるのに筋肉は大切な存在です。その筋肉を作る材料になっているタンパク質をとりましょう。
レバー・ひじき:鉄分は酸素を運ぶ赤血球を作るもとになり、その赤血球が運ぶ酸素はエネルギーを燃焼し体を温めるのに欠かせません。
(2)体のめぐりをよくする食べ物
ショウガ:血流促進、殺菌作用、整腸作用に加え、脂肪や糖質の燃焼を促して体温を上げる効果があります。
ナッツ類:ビタミンEが持つ抗酸化作用が血栓を防いで血液をサラサラにしてくれます。
サツマイモ・人参・大根・ゴボウ・レンコンなどの根菜類:ビタミンCを多く含み、血液を作る鉄の吸収やビタミンEの抗酸化作用を高める強力なサポーター役です。
(3)余計な水分を出してくれる食べ物
キュウリ・山芋・小豆:利尿効果のある食べ物で余分な水分を体の外に出します。
(4)腸内環境を整える食べ物
ヨーグルト:乳酸菌が善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれます。
肩こりや頭痛、生理痛などの不調には冷えが大きく関わっています。軽いストレッチなども取り入れながら、体を温める食事を続けて習慣的に体を温めましょう。
問合せ:市健康課
【電話】22-8571
■ドクターの話「漢方薬について」
私たちが病院などで処方される薬の大部分は西洋薬です。西洋薬は単一の成分のため「痛みを抑える」「血圧を下げる」など、一つの症状に対して効果を発揮します。
一方、漢方薬は複数の自然の生薬を配合した薬なので、個々の生薬が持つ作用が合わさって、さまざまな効果が現れます。漢方薬は現代医療の場でも有効性が確認されている薬で、健康保険も適応されます。多くの病状に一つの薬で対応できる場合もあり、西洋薬を多数内服するより費用が安くなることもあります。
感冒(かんぼう)(風邪)の初期に効果のある「葛根湯(かっこんとう)」は、3日間の服用で60円程度(3割負担・診察料は別)、高齢者の頻尿・尿漏れに効果のある「八味地黄丸(はちみじおうがん)」は1カ月の服用で約700円程度です。
効果は飲み始めて通常1〜2週間ですが、即効性の薬もあり、こむら返りに効果のある「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」は、頓用で速やかに効果が期待できます。風邪やインフルエンザの「葛根湯」「麻黄湯(まおうとう)」や打撲・打ち身の「治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)」は数時間〜数日で効果が現れます。治療に時間がかかる慢性の病気に対しては、辛抱強く服薬を続けて下さい。その他、各症状に効果のある漢方薬を紹介します。
「大建中湯(だいけんちゅうとう)」:腹部外科手術後の便秘に
「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」:くしゃみ、鼻水、アレルギー性鼻炎に
「釣藤散(ちょうとうさん)」:脳血管性認知症に
「抑肝散(よくかんさん)」:認知症に伴う異常行動・精神症状に
「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」:月経困難症、更年期障害に
また、内臓脂肪を落とすとして宣伝されているナイシトールは「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」のことです。しかし、漢方薬も薬なので副作用もあります。主な副作用は、食欲低下、熱やじんましん、むくみ、動悸(どうき)、不眠、血圧上昇などで、重篤なものでは間質性肺炎があります。定期的に診察や検査などを受けましょう。当診療所も主な漢方薬を扱っていますので、医師や薬剤師に気軽にご相談ください。
朝倉診療所 次長 石井邦英
問合せ:朝倉診療所
【電話】52-1131
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