■福岡新水巻病院地域医療連携室 近藤崇子さん(水巻町男女共同参画懇話会委員)
近藤さんは、福岡新水巻病院で地域医療などに携わる傍ら、水巻町男女共同参画懇話会の委員として第3次みずまき男女共同参画プラン後期計画の策定にも協力していただきました。
Q.福岡新水巻病院では県の「子育て応援宣言企業」に登録するなど、組織として男女共同参画を推進していると聞いてます。その主な取り組みを教えてください。
A.従業員向けの育児相談窓口の運営や育休から復帰する職員に向けた支援を行うなど、「子育て応援宣言企業」として子育ての面から家庭生活と職場生活の両立を支え、従業員が自分らしくいきいきと生活できるような取り組みを行っています。
Q.育休から復帰する従業員向けの支援とは。
A.「保育園が決まらない」という理由で復帰しにくくなることがないように、当院では「企業主導型保育事業」という制度を利用して近隣市町3カ所の保育園と提携して入園枠を確保してもらっています。復帰のしやすさだけではなく、復帰した後のワーク・ライフ・バランスやモチベーションの向上にもつながり、復帰後すぐに活躍できるという面でも、良い影響になっていると考えています。
Q.従業員向けの相談窓口とはどのようなものですか。
A.「子育て保健室」といって、「どう育児をすればいいかわからない」といった相談から、「発語がなかなかない」「アレルギーが心配」など、育児全般に関する不安や悩みに関する相談を受け付けています。いつでも気軽に相談しやすいように専用のWEBフォームを設けていて、寄せられた相談に対して院内の医師・看護師・リハビリテーション職などさまざまな専門職に直接つなげることができるのが「病院ならでは」の取り組みではないでしょうか。
Q.「子育て保健室」ができたきっかけは。
A.この窓口は、病院の周産期センターがなくなり、院内で出産する職員のサポートができなくなったのをきっかけとして、約2年半前に従業員有志が集まって立ち上げました。育児経験のある職員を中心として医療職・事務職に関わらずさまざまな職種が積極的に立ち上げに向けて動いてくれたのが大きかったんだと思います。
Q.出産や育児に理解がある職場環境だったんですね。
A.
当院が急性期の病院で、「できることは全員で協力してやりましょう」という雰囲気はすでにありましたね。例えば育休産休を取るにしても、休む側としても、送り出す側としても、みんなで支え合う雰囲気だったんだと思います。先ほども言ったように復帰する従業員向けの支援も充実していることもあって、送り出す側としても「しっかり育児して、また復帰してくれる」という安心感があるんじゃないかなと思います。
その雰囲気は産休や育休の取得率にも出てて、女性従業員では、昨年度の実績で対象となる24人のうち23人が産休を取得しています。また、産休を取得した人は100%育休を取得しています。男性従業員では、昨年度の実績で8人のうち4人が育休を取得しているんです。
Q.男女共同参画推進のモデルケースとして、他の事業所に対するメッセージをお願いします。
A.
男女共同参画を進める事業所さんはまず「出産や育児を支える雰囲気づくり」を大切にしていただきたいです。周産期以降は、家庭環境が目まぐるしく変わる時期だと思うので、新しくママパパになった従業員が職場に対して不安を抱えずにいきいきと働くことができる環境にしていくことが、組織として男女共同参画を進める上で大切なことだと思います。
また、当院では一般向けの育児相談外来も開設しています。地域医療を担う病院として他の事業所の男女共同参画推進をサポートするという意味でも、働きながら子育てをする人の不安や悩みを解消できればと思います。ぜひ、気軽に利用してください。
町の男女共同参画を進めるためには皆さん一人一人の意識が大切です。普段から、家庭・職場・学校など身近な場所での男女共同参画を考えることから始めてみましょう。
今号に折り込んでいる概要版の表紙には、男女の役割に関する思い込みチェックリストがあります。自分の認識を確かめるためにも、ぜひ試してみてください。計画の詳細は役場地域協働係窓口や町のホームページで確認することができます。
問合せ:役場地域協働係
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