中央公民館大ホールの裏方として活動する「水巻SSL会」。
今号では、その活動内容などを紹介します。
■公演における「ツウ」な楽しみ方
コンサートや舞台といえば、華やかな演者や壮大な演出に目を奪われるものですが、中には、音響や照明など細やかな演出に注目しながら楽しむ人もいるでしょう。例えば、音楽の盛り上がりに合わせ照明が鮮やかな変化を見せる瞬間。特定の場面での音響効果の使い方。刻々と変化していく演出を、作り手の細やかな意図に想いを寄せながら観覧することで、楽しみ方の幅がぐっと広がります。
これらの場面を作り出すのは「裏方」と呼ばれる人たち。この裏方仕事に着目すると、公演全体の完成度や奥深さに気づくことができ、より一層の楽しみが得られます。
■中央公民館の公演を支える裏方さんたち
年間を通して多くのイベントが行われる中央公民館。大ホールで行われるものは規模も大きく、関わる人も多くいます。その中には、中央公民館「専属」とも言える、裏方さんが集まる団体があります。
■約40年間、観客の心を動かす「水巻SSL会」
大ホールでのイベントを長きにわたり舞台裏から支え続けているのが「水巻SSL会」。約40年前、文化連盟芸能部のメンバーを中心として、音響や照明・演出・舞台の設営・非常時の避難誘導など、大ホールで行われるイベントに関するさまざまな仕事をする団体として設立されました。「SSL」とは、「ステージ・サウンド・ライト(Stage Sound Light)」の頭文字をとったもの。その名が表すとおり、長年培い継承されてきた経験を生かした音響や照明技術を使い、観客の心を動かしてきました。
■抱えている課題
そんな「水巻SSL会」も後継者不足という危機に直面しています。現在加入している会員の平均年齢は約77歳。会員数も減少傾向にあり、新しく活動に参加する若い世代の人もなかなかおらず、音響や照明機器のデジタル化が進み、高齢の会員にとっては操作などが困難なこともあると言います。現在の公演のクオリティを維持していくためにも、若い世代の会員を増やしていくことが、急務となっています。
会員の1人はこう語っていました。「私たち全員、SSLに入るまではこういった裏方仕事は全く未経験でした。舞台やテレビが好きな人、新しいことにチャレンジしてみたい人は、ぜひ活動に参加してもらいたいです」
■「縁の下の力持ち」裏方仕事の魅力とは
裏方仕事の魅力とはなんなのでしょうか。会員の1人は「普段見るテレビや舞台がより楽しくなった」と語っていました。演出の方法がそれぞれ異なるため、自分たちが扱う舞台装置や技法との違いを考えたり、「この演出の意図はなんだろう」と考えたり、楽しみ方の幅がより一層広がったとのこと。
次ページからはより詳しくSSLの裏方仕事を写真を交えて紹介。活動の様子を覗いてみましょう。
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