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添田町歴史的風致維持向上計画(第2期)認定

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福岡県添田町

■未来へつなぐ歴史を紡いだまちづくり
平成26年6月に、町の文化財や伝統芸能を保存・継承するため、国から認定を受けた「添田町歴史的風致維持向上計画」。令和5年度の計画期間満了を前に、これまでの成果や課題を踏まえ、さらなる歴史・文化を活かしたまちづくりを推進するために令和6年度から15年度までの10年間を計画期間とする「添田町歴史的風致維持向上計画(第2期)」を策定し、3月18日、文部科学大臣・農林水産大臣・国土交通大臣から認定を受けました。

■歴史的風致維持向上計画の概要
歴史的風致とは「地域におけるその固有の歴史や伝統を反映した人々の活動とその活動が行われる歴史上価値の高い建造物やその周辺の町並みとが一体となって形成してきた良好な市街地の環境」と定義され、単に歴史上価値の高い建造物が存在するだけでなく、歴史と伝統に誇りを持ちながら地域の生活が息吹くことで歴史的風致が形成されます。
第1期計画は町内に残る英彦山神宮奉幣殿(ほうへいでん)や中島家住宅などの歴史的建造物と修験道に関する祭礼や神幸祭などの伝統文化を保存するとともに、それらを活用したまちづくりを図るために策定し、全国では46都市目、福岡県では太宰府市に続き2番目に認定を受けました。
様々な理由で失われつつある歴史的風致。計画では英彦山神宮にまつわる歴史的風致や添田本町地区と神幸祭にみる歴史的風致など6つの維持向上すべき歴史的風致を定め、これを後世に継承するため、計画期間である平成26年度から令和5年度までの間、歴史的風致の維持向上に向けたまちづくりに取り組みました。

■旧日田街道の町屋と英彦山地区の修景改修
旧日田街道に位置する国指定重要文化財中島家住宅では、経年劣化に伴う損傷の進行に加え、地盤沈下とそれに伴う建物への影響、耐震性能の不足などを踏まえ、5年の歳月をかけ半解体を伴う保存修理工事を行いました。修理後は一般公開され、各種イベントが行われています。
英彦山地区では、英彦山神宮銅鳥居から英彦山神宮奉幣殿までの総延長約885メートルの参道を歴史的風致形成建造物に指定し、石段や水路などの保存整備に加え、水道パイプの撤去や消火設備の色彩の調和など、修景整備を実施しました。併せて英彦山神宮が行っている上宮の被害状況把握調査や保存修理工事に対し、助言とともに支援も行っています。

■まちづくり団体の創設と郷土愛の醸成
英彦山内に存在する社殿や修験窟、宿坊、遺跡などの後世への継承に向け総合調査を進め、「英彦山総合調査報告書」を刊行、国においても文化的価値が認められ「英彦山」は国史跡に指定されました。さらに、国名勝「旧亀石坊庭園」以外の宿坊庭園の調査などを進め、「英彦山」と同じくその文化的価値の高さから「旧亀石坊庭園」に新たに6つの庭園が追加され、名称を「英彦山庭園」として国名勝に指定されました。さらに歴史的風致を構成する建造物や環境、民俗芸能などをまちづくりに活用するため、重点区域である英彦山区域でまちづくりを担う団体の設立に向けた地域関係者との勉強会を通じて「英彦山門前町同好会」が設立されました。同会では歴史的風致を伝える活動をはじめ、英彦山山伏の暮らしを伝える山伏体験会や、英彦山神宮参道で開かれる英彦山参道マルシェなどのイベントを行っています。
また、町は平成27年に歴史テキストなどを作成し、郷土愛の醸成や地域の伝統芸能への理解を促すため町内小学校の授業などで活用し、学芸員による歴史・文化を伝える「出前授業」や「出前講座」も行っています。
このような歴史的風致の維持向上を第1期計画に基づき10年かけて行ってきましたが、町民アンケートでは約7割の人が町の歴史的な風情や情緒の向上を「感じない」と回答しており、また、各地域で行われていた神幸祭が新型コロナウイルス感染症の影響で数年間休止され、長年の担い手不足と相まって、活動の継承や郷土愛の醸成などさらなる課題解決に向けた取り組みが必要となります。

■第2期歴史的風致維持向上計画での取り組み
第2期計画では国指定重要文化財中島家住宅をより多くの人に訪れていただくために、風格ある庭園整備を実施するとともに、第1期計画で実施できなかった英彦山スロープカー花駅の駅舎として利用している旧英彦山小学校を周囲との調和を図るための修景整備を実施します。
また、児童・生徒に対する意識向上推進事業について、「郷土を愛する子どもの育成」が学校教育の重点目標の一つとして挙げられていることから、年間指導計画に位置付けられるように学校・関係課との連携を密に行います。
神楽や獅子楽などの保存団体と伝統芸能の継続や後継者育成に向けた協議を行うとともに、保存団体の活動や歴史文化を活かした団体に対する支援を行い、皆さんが日々の生活の中で歴史的風致を感じていただけるよう取り組みます。

問合せ:役場商工観光振興課歴史文化財係
【電話】82-1236

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