■CT・MRI検査
令和6年に、CT・MRI装置を新しく入れ替えました。
そこで今回は、X線検査・CT検査・MRI検査の目的や違いについて解説します。
◆X線検査(レントゲン検査)
○X線とは
X線とは電磁波の一種で、物質を通り抜ける性質をもっています。
X線検査ではこの「物質を通り抜ける性質」を利用し、身体の中を検査しています。
○しくみ
私達の身体は、組織ごとにX線の通り抜けやすさが異なります。例えば、密度の高い骨はX線が通り抜けにくく、空気で満たされている肺はX線が通り抜けやすくなっています。X線検査は、この「通り抜けやすさの差」がコントラストとなり、身体を白黒の画像として映し出しているのです。
○検査の目的
骨折など骨の状態を確認する際に役立つほか、身体の「炎症」を確認することができます。
これは、炎症を起こしている部分に体液や水分が多く集まり、X線が通り抜けにくくなることで画像に白い影として映るためです。
◆CT検査
○X線検査との違い
CT検査もX線を利用した検査ですが、X線検査との違いは画像の「立体度」にあります。
CT検査は、筒状の機械に入ることでX線を目的部位に一回転照射します。照射したX線を検出器でデータ化しコンピュータ計算することで、人体を輪切りにしたような画像や、立体的な画像を生成することができます。
○検査の目的
CT検査は呼吸器、肝臓・膵臓・腎臓、骨といった部位の検査を得意としています。これはCT検査が骨や炎症・石灰化した組織など「硬さ」のある部位を検査することに適しているためです。また、検査時間は約5分〜15分と短く、脳梗塞など緊急を要する際にも活用されます。
◆MRI検査
○CT検査との違い
MRI検査は、強い磁石と電磁波を利用した検査です。装置は筒状の形状をしており、装置から放出された電磁波で体内の水素原子を振動させます。この時、振動した水素原子から発せられた微弱な電磁波を電気信号に変換し、画像を生成することで縦、横、斜めなどの様々な方向の断面でみることができます。CTと違って被ばくはなく、骨や空気の影響を受けないため骨に囲まれた脳や脊髄などの描写を得意とします。
○検査の目的
MRI検査は脳や関節、婦人科系疾患、前立腺、膀胱などの検査を得意としています。整形外科領域では筋肉、靭帯、腱などの描写も得意とします。検査時間は約20〜40分で、造影剤を使わずに血管を観察できるため、脳出血(くも膜下出血)を引き起こす原因となる脳動脈瘤などの早期発見にも役立ちます。
■新しい装置で高画質・安全・快適な検査を
[CT]
令和6年2月入れ替え
◎80列マルチスライスCTスキャナー
〈より鮮明に!より安全に!〉
CT検査では息止め時間の短縮と、より鮮明な立体画像での検査が可能になりました。
また、AI技術を用いて、従来と比べX線量は約1/2以下に抑えることができます。
[MRI]
令和6年3月入れ替え
◎1.5テスラ超伝導MRI装置
〈より高画質に!より快適に!〉
MRI検査では、整形外科領域、消化器・腹部領域、血管領域など全身検査に対応。AI技術で高画質かつ短時間での撮像が可能になりました。
検査音が小さく、より快適な検査環境を提供します。
◆スタッフ
▽放射線科 部長 野崎 善美
▽放射線画像センター
・診療放射線技師…9人
・受付事務…1人
放射線画像センターでは、高性能機器を用いて、各診療科が求める高品質な医療画像を提供することを業務としています。
CT・MRI・RIなど、各装置を備え各検査に対応し、近隣のクリニックからの画像検査依頼も受け付けています。
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