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シリーズいま人権・同和教育は 高齢者の人権について考える

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福岡県筑後市

わが国は、平均寿命の大幅な伸びや少子化を背景として、人口の4人に1人が65歳以上となっています。
このような中、介護者などによる身体的・心理的虐待などや、高齢者の社会活動参加への不足による孤立・孤独など、高齢者の人権問題が大きな社会問題となっています。

■高齢者の人権侵害事案
高齢者に対する暴行・虐待については、左表のとおり減少傾向にあるものの、深刻な状況であることに変わりありません。

▽高齢者に対する暴行・虐待
平成30年:319
令和元年:251
令和2年:185
令和3年:131
令和4年:81
(法務省人権擁護局の資料より)

他にも、「高齢者を狙った悪徳商法や振り込め詐欺」「働きたくても働く機会が少ない」「介護を必要とする高齢者の介護体制・介護環境が十分でない」「単身高齢者が賃貸住宅への入居を拒否される」などの問題があります。

■社会参加活動の推進
前述にある問題の背景には、一人暮らしの高齢者の増加や、地域社会とのつながりの希薄化など、高齢者が孤立しやすい状況に置かれていることが考えられます。高齢者の孤立や孤独を防ぐためには、社会参加活動など「人と人とが関わり合う機会」が必要とされています。社会参加活動を通じて、心の豊かさや生きがいを得られることが自身の健康にもつながるといわれ、社会参加活動をする高齢者が増えています。
地域社会も孤独な高齢者を生み出さないよう、特に一人暮らしの高齢者に対しての積極的なアプローチが必要です。
また、国は、求人の募集・採用に当たって、年齢ではなく求職者一人一人の経験や適正、能力を判断すべきであるとの趣旨から、「労働施策総合推進法」を定めています。ハローワークや求人広告など全ての求人募集で年齢制限を原則禁止し、年齢に関わりなく応募の機会が開かれるよう努めています。

■自分らしく生きていくために
誰もがいずれは高齢者になります。社会的立場や年齢・性別などにかかわらず、全ての人が自分らしく生きていく社会を実現していくためにも、私たち一人一人が高齢者の人権を考えていくことが大切ではないでしょうか。

■参考文献
・令和5年版人権教育・啓発白書
【URL】https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken04_00265.html
・公益財団法人長寿科学振興財団ホームページ

◆みんなの人権110番
さまざまな人権問題について、法務局職員が電話で相談に応じます。
相談電話番号:全国共通人権相談ダイヤル
【電話】0570-003-110
※平日8:30~17:15。

問合せ:人権・同和教育課
【電話】65-7039

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