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自治体の皆さまへ

相手にも自分にも負けられない戦いが、そこにはある。(1)

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福岡県筑紫野市

スポーツを楽しんでいると誰もが思うことがあります。それは、もっとも上手くなりたい、相手に勝ちたいということ。そんな思いを抱くのに、年齢も性別も障がいの有無も関係ありません。
今月の特集は、12月の障がい者週間から、障がいがあってもできるスポーツ、そしてそれに取り組む人や楽しんでいる団体を紹介します。

■障がいとスポーツ
スポーツは、年齢や性別などにかかわらず、誰もが取り組み、楽しむことができるものです。人はスポーツをすることによって、生きがいや自信、仲間との交流などを得ることができますが、その他にも、もっと上手になりたい・相手に勝ちたいという思いが、生への活力につながり、自分自身の成長にもつながります。スポーツは人生を豊かにする力があります。
しかし、スポーツの中には、障がいのある人には参加することが難しいものもあります。
そこで、障がいのある人もスポーツを楽しむことができるように工夫されたものが「パラスポーツ」や「軽スポーツ」です。

■パラスポーツと軽スポーツ
パラスポーツは、身体に障がいのある人が楽しむことができるスポーツの総称です。車いすラグビーや車いすテニス、ブラインドサッカーなどがあります。パラスポーツの最高峰の大会は、パラリンピックです。2020年東京パラリンピックでは、22競技539種目が行われ、日本は51個のメダルを獲得することができました。
軽スポーツとは、障がいのない人だけでなく、高齢者や障がいのある人でも体の負荷が少なく、共に楽しむことができるスポーツの総称です。ボッチャやグラウンドゴルフ、フライングディスクやカローリングなどがあります。市のイベントなどでも軽スポーツの体験を行っています。
そんなパラスポーツや軽スポーツですが、聞いたことはあっても、なかなかその中の競技に馴染みのない人も多いかもしれません。
しかし、筑紫野市には、パラスポーツで活躍している人や軽スポーツを楽しんで活動している団体があります。今回は、数多くあるパラスポーツ・軽スポーツの一部とそれに取り組む人や団体を紹介します。

■車いすラグビー
パラスポーツの中でも一際激しいものが車いすラグビーです。車いすラグビーは車いす同士でのぶつかり合いが認められており、衝突の衝撃で車いすが転倒することもよくあります。
車いすラグビーが通常のラグビーと違う点は、前方へのパスが認められていることと、2つのトライポストの間をボールを保持したまま通過すると1点を獲得するということです。この獲得点数で勝敗を競います。
競技用車いすは、攻撃型・守備型で形状が異なり、選手のプレースタイルによって使い分けられます。また、障がいの程度によって選手ごとに持ち点が決まっており、コート上でプレーする4選手の合計点が一定の点数以内になるようにしない点も戦術に関わる要素です。
一人ひとりがさまざまな障がいを抱える中で、それぞれの役割を担い、協力し、「相手」という障がいをも越えていく。チームの絆は他のどのパラスポーツよりも強いかもしれません。

市内在住の車いすラグビー選手、堀貴志選手に車いすラグビーの魅力や今後の目標をお聞きしました。

■堀貴志(ほりたかし)選手
市内光が丘在住。筑紫東小学校・筑紫野南中学校卒業生。末梢神経障がいにより生まれながらに四肢に障がいを持つ。福岡を拠点とする車いすラグビーチーム「Fukuoka DANDELION」を立ち上げ、チーム代表兼選手として活躍中。日本代表強化指定選手の一人。パリのパラリンピックをめざし、日々トレーニングを行っている。
好物はとんこつラーメン。

▽車いすラグビーの魅力
車いすラグビーは車いす競技の中で唯一、車いす同士でのタックルが認められている競技です。その一方で、タックルの細かい角度や車いすの向きによってプレーの結果が変わってくる、繊細な競技でもあります。実に奥深いです。

▽堀選手の強み
車いすラグビーは選手ごとの障がいの度合いによってクラス分けがされており、私は、障がいの程度が中程度のミドルポインターというクラスです。私の強みは、このミドルポインターの選手の中で国内で唯一、体幹機能が備わっていることです。これにより、他の選手よりも体勢の立て直しが早くでき、動き出しも早くできます。

▽車いすラグビーとの出会い
私が初めて車いすラグビーと出会ったのは、25歳のときです。最初に見たときはその激しさに衝撃を受けました。その後、車いすラグビーに魅了されて練習に参加し、平成26年に福岡の車いすラグビーチーム「FukuokaDANDELION(福岡ダンデライオン)」を立ち上げました。発足当初は3人でしたが、現在は公式チームとして登録され、22歳〜50歳の11人が所属しています。全国には車いすラグビーチームが9チームあり、その中で一位を決める日本選手権では最高で4位になったことがあります。今年度はチーム内の勢いもあるので、もっと良いところを狙っていきます。

▽今後の目標
車いすラグビーは自分の可能性を広げてくれたスポーツですし、まだまだ挑戦し続けて行きたいです。現在の私個人としての目標はパリのパラリンピックに選抜され、金メダルを勝ち取ることです。日本代表として選ばれるのは、全員で12人。なんとしてもこの出場枠を勝ち取り、金メダルを獲得できるように日々自分自身と戦っています。
市民の皆さまからも応援いただければ幸いです。

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