◆01 こどもたちの未来を育む 安川電機の新たな挑戦
北九州市八幡西区に本社を構える株式会社安川電機。モータやインバータ、産業用ロボットで世界最高水準の技術を有する会社です。市内にも西宮市に行橋事業所があることは、みなさんご存じかと思います。世界最高水準の技術を有する歴史ある企業が育てるのは、機械技術だけではありません。小中高校生を対象としたスポーツ教室やモノづくり教室等、こどもたちの心身を育むことにも注力しています。
10月12日に豊津陸上競技場では、ロンドンオリンピックマラソンで6位入賞を受賞した中本健太郎監督率いる陸上部が陸上教室を開催しました。市内外の陸上クラブ3チーム約80名の小学生が参加。憧れの監督や選手たちの指導に、こどもたちは目を輝かせていました。
安川電機の取り組みは陸上教室だけではありません。全国実業団大会で準優勝のソフトボールチームによる、小学生を対象としたソフトボール教室。また、スポーツの分野に限らず、未来の科学者育成や地域との共生を目的とし、毎年リブリオ行橋へ図書を寄贈、理系の仕事を女の子に紹介するドイツ発祥のイベント「ガールズデー」の開催等、積極的に地域のこどもたちに向けた取り組みを実践しています。
山口県豊浦郡菊川町(現:下関市)出身の中本監督。五輪で6位入賞を果たす実力の持ち主ですが、中学時代はなんと野球部に所属していたと言います。陸上を始めたのは、高校に進学してから。それから大学進学後も陸上部に入部。2005年の第81回東京箱根間往復大学駅伝競走では、拓殖大陸上部の7区走者として出場しました。その年の4月に安川電機に入社。フルマラソンを始めたのは、入社後のことだそうです。その後の活躍は下記のとおり。
中本監督はマラソンの魅力について、こう語りました。「マラソンという種目は、練習においてごまかしがきかないと感じています。その分、成果が出れば喜びが大きいところが最大の魅力です」。また、陸上教室に参加したこどもたちに対し、「まずは体を動かすことの楽しさを知ってほしいと思っています。そして、色々な種目やスポーツをやってみて、スポーツの楽しさを経験してほしいです。」と想いをお話ししてくれました。
参加したこどもたちからは、「中本監督や選手たちの話を聞いて、もっと練習をがんばろうと思った」「とても楽しかったので、また開催してほしい」等の声が上がっていました。
また、年明け1月26日(日)開催のゆくはしシーサイドハーフマラソンのゲストランナーは、中本監督。ランナーの皆さんへ、中本監督よりメッセージをいただいています。
「皆さん、一人ひとり目標や志を持って参加されていると思います。皆さんからその活力をもらいながら、そして私も皆さんに活力を与えながら、みんなで盛り上げたいと思っています。当日は皆さん、一緒に楽しみましょう」。
◇中本健太郎 Ken taroNakamoto
安川電機陸上部監督。主な実績は、2012年ロンドンオリンピック6位入賞、2013年世界陸上モスクワ大会5位入賞、2011年世界陸上大邱大会9位、2017年世界陸上ロンドン大会10位、2017年別府大分毎日マラソン優勝など。
◆02 行橋~別府100キロウォーク 87歳、10回目の完歩
今年もゴールの別府を目指し、今川河川敷から3,872名の参加者たちが一斉にスタートしました。今年で26回目の開催となる100キロウォークですが、第1回目(1999年)の参加者は44人。今ではこれだけ大勢の人が参加するビッグイベントとなりました。自分との闘い「こころの遠足」と言われる100キロウォーク。経験した者でなければ分からない、苦悩や葛藤、そして達成感や喜びがここにあります。
開催日の10月12日、今年は例年に比べ、スタートから日中の気温が高く、参加者たちは暑さとの闘いでした。この中に、10回目の出場となる医師の小宮俊秀さん(87歳)がいました。これまで毎回完歩を達成している小宮さんですが、「今回10回目の完歩を達成して、引退を考えている。引退後はボランティアスタッフとして100キロウォークに携わっていきたい。」と話していました。「80歳を超えて、1年あたりの衰えを著しく感じている。昨年は17時間台で完歩できたが、今年は18時間台で完歩できればいいけど・・・。」と年齢や体調を気遣う発言が見られました。
スタートして1時間30分、長井浜公園を通過する際、我々広報スタッフに気付き笑顔で手を振ってくれました。市内最後の応援スポットとなる松原展望台広場でも、普段スロージョギングでトレーニングを続けている小宮さんの足取りは速い。しかし、100キロウォークの最大の難関は、昼夜歩き続け、制限時間の26時間内に辿り着かなければならないということ。日中との寒暖差や疲れ・眠気・体の痛み・・・さらに暗闇になると人や車通りも減り、先が見えず不安な気持ちが増してきます。10回目の挑戦とは言え、その苦しみを知っているからこその試練があります。
前回までは午前5時台のまだ暗い時間帯にゴールしていた小宮さん。「100番」のゼッケンをつけた小宮さんを暗い時間から待ち構えていました。徐々に別府湾から朝日が覗いてきましたが、まだ100番のゼッケンは見えません。脚や体調等大丈夫だろうか・・・年齢を考えるとどうしても心配になり、そわそわしながら待っていました。
日は昇り明るくなった頃、ゴールをめざす人の中に「100番」の文字がはっきりと見えました。この功績は、ベテランだからという一言では片付けられません。87歳、10回目の挑戦、10回目の完歩。この快挙は、皆に勇気と感動、そして元気を与えてくれました。
◆03 スポーツで活躍 市長を表敬訪問
※詳細は本紙をご覧ください。
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