■対談 小学生×医師 金子晴香×吉田哲郎
高血圧をテーマに、家族思いの小学生とおんが病院副院長が対談!
高血圧の人が多い遠賀町で2人が思うことは…
◆金子晴香
「家族みんな健康でいてほしい」
▽-Profile-
浅木小学校6年生。昨年、父の健康を思って高血圧を題材に「健康かべ新聞コンクール」へ応募。最優秀賞を受賞する。家族への思いやりや健康志向が強い。将来の夢はイラストレーター。
◆吉田哲郎
「まずは、自分の体の状態を知ること」
▽-Profile-
遠賀中間医師会おんが病院副院長兼循環器内科部長。日本高血圧学会、日本内科学会、日本循環器学会などに所属。専門医、指導医、医学博士の資格を持ち、全国各地で講演活動も行っている。
◆健康かべ新聞コンクールで最優秀
昨年、全国健康保険協会福岡支部と西日本新聞社が共催した「第4回健康かべ新聞コンクール」で、浅木小学校5年(当時)の金子晴香さんが、小学生部門の最優秀賞を受賞しました。
このコンクールは、生活習慣病を子どものうちから知ることで家族の健康づくりに役立ててもらうことを目的に実施されたもので、福岡県内の小学5年生から1,890点の応募がありました。
金子さんの健康かべ新聞は、家族の健康診断の結果から、血圧と飲酒に着目して作成されており、その作り込み具合と「健康状態を確認して生活習慣病を予防してほしい」というメッセージ性が、大きく評価されました。金子さんの作品は、遠賀町ホームページや町内の公共施設、病院などで見ることができますよ。
▽イチオシ!生活習慣5か条
毎日お酒を飲む人や1日に飲む量が多い人は、血圧が高い傾向にあり、血圧と飲酒は密接に関係しているといえます。
金子さんは、普段の生活で高血圧を予防するため、適量の飲酒を含めた5つの注意点をまとめて、健康かべ新聞で啓発しています。
◆書こうと思ったきっかけ
吉田:健康かべ新聞(以下、新聞)コンクール最優秀おめでとうございます!
新聞に興味をもって、テーマに「血圧」を選んで、書こうと思ったきっかけはどんなことだったのかな?
金子:昨年、新聞の募集用紙を担任の先生から受け取ったことをお母さんに話したら、「お父さんのお酒について書いてみたら」って言われたんです。
お母さんはいつもお父さんに言ってたけど、私もお酒のことについて書いたら、お父さんも健康に気をつけてくれるかな、と思って書くことを決めました。
日ごろから自主学習ノートで大事なところをペンで囲んだり、文章だけじゃなくてイラストや表でまとめたりすることが好きなので、楽しいかなって。
あとは、お父さんの健康診断の結果を見ていたら、前から少し血圧が高かったので、血圧が高いとどうなるのかなと気になっていたのも理由です。
吉田:お母さんがお父さんにお酒をやめるよう言っているところを見ていたんだね。
すごいなと思ったのが、お父さんの健康診断の結果に目を通していたということなんだけど、前から見ていたの?
金子:小学3年生のころから、気にして見ていました(笑)
吉田:日ごろの観察もあって、血圧の数字とかも見てて、おもしろいと思っていたんだね。
◆新聞を読んだ周りの反応
吉田:とても良くできていて、初めて見たときびっくりしました。
新聞ができあがったときのお父さんや家族の反応はどうだったかな。担任の先生とか友だちも何か言っていた?
金子:お父さんはお酒を毎日飲んでたけど、週1回は休肝日を作ってくれるようになりました。
本当は週2回休肝日を作ってほしいけど…(笑)
友達も「はーちゃんすごいやん」って褒めてくれたし、おじいちゃんとおばあちゃんの家に行ったら、新聞が飾ってあって、うれしかったです。
吉田:お母さんもずいぶん喜んだんじゃないかな。
今までお酒を控えるように言ってて、晴香さんのかべ新聞を読んで、やっと週1回やめるようになったんでしょう。
家族の働きかけって大切だね。
金子:お母さんも、新聞のおかげでお酒をちょっと減らしてくれたのは、うれしいと言ってました(笑)
吉田:次の健康診断で、お父さんの血圧が下がってるといいね。
◆家族の健康を願って
吉田:健康のバロメーターが血圧だってことを、すごくしっかり書いてくれているね。それだけ血圧に興味を持ってくれたということがうれしいな。
晴香さんの新聞の内容でとくにすごいなと思ったのは、きっかけの1つにもなったお父さんの「お酒」に着目してることと、健康診断で血圧が高いということにちゃんと気づいていたこと。
その2つを結びつけて、お酒を減らして血圧を下げていこうねというお父さんを思ったメッセージが書いてあること。
健康でいるためには家族を思って、みんなで取り組むのが理想的だし、晴香さんが家族のことを大切に思っているからこそ、これだけものが作れたんだろうなと思う。
金子:とても仲良しな家族です。
みんなが健康でいてくれたらいいなと思って一生懸命調べて作りました。
吉田:「脳」「腎臓」「心臓」っていう、血圧が高いとかかりやすい病気も書いてくれていて、新聞を作るために勉強しないと書けないことがいっぱいあったと思う。どこからが高血圧なのかとか、そういうのをどうやって勉強したのかな?
金子:インターネットで調べたり、診断結果に載っている予防のポイントとかを参考にしたりして作りました。
吉田:実際に、この新聞をつくる上で、どのへんが大変だった?
金子:健康診断の結果を見るときに、難しい言葉で書いてあって分かりにくかったので、そのまま新聞に書くと分かりにくいだろうなって。
家族もそうだけど、小学生とか小さい子にも見てほしかったし、誰でもパッと見て分かるように、きれいにまとめることが難しかったです。
吉田:なるほど!難しいことを難しいまま書くのはみんなできるけど、晴香さんは、誰が見ても分かりやすいように、工夫して作ったんだね。
他にもこの新聞を見てもらいたい人はいるかな?
金子:やっぱり私と同じで、小学生の子どもがいるお父さん、お母さんかな。
家族の健康って気になると思うからとくに見てほしい。この新聞がきっかけで何か気をつけるようになってくれるとうれしいです。
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