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自治体の皆さまへ

特集1 あなたは大丈夫? 歯周病を予防しましょう!

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福岡県遠賀町

歯周病は、歯と歯茎の隙間から侵入した細菌が歯肉に炎症を引き起こし、歯を支える骨を溶かしてグラグラにしてしまう病気で、「世界で最も患者数が多い病気」としてギネス世界記録にも認定されています。

「令和4年歯科疾患実態調査」では、80歳以上で自分の歯が20本以上残っている人が2人に1人以上に上る一方、全年齢層のほぼ2人に1人は4ミリメートル以上の歯周ポケットのある歯がみられ、高齢になるほどその割合が高くなることが明らかになりました。

歯周病は、痛みなどの自覚症状があまりないため、歯がグラグラしてきたなどの症状を感じてきた時には、実はかなり重症な歯周病である場合も珍しくありません。

■予防・早めの治療が大切
歯周病予防の基本は歯垢がつかないようにすることで、毎日の歯みがき・フロスや歯科医院での定期的な歯石除去が効果的です。
歯茎の腫れが引かないなど、歯周病になってしまった場合は、なるべく早く歯科医院へ行き、歯科医師や歯科衛生士に歯の清掃と治療をしてもらいましょう。
なお、重度の場合は歯茎の手術が必要になることもありますので、自覚症状がなくても定期的に通院し、良い口腔環境を保つよう心がけましょう。

■歯周病による炎症性物質※が全身にさまざまな影響を及ぼします!
◆肥満・メタボ
歯周病が肥満を引き起こして、肥満が歯周病を悪化させるといわれており、歯周病が進んでいる人はメタボリックシンドロームの発症が1.6倍高まることが報告されています。

◆糖尿病
歯周病によってつくられる炎症性物質が血液中に入るとインスリンの働きを低下させるため、血糖値が下がりにくくなります。

◆動脈硬化
歯周病によってつくられる炎症性物質により、血管内にのり状の塊ができ、血液の通りを悪くしてしまいます。この詰まりが脳梗塞や心臓病などを引き起こしてしまう原因となります。

◆骨粗しょう症
骨密度が低くなり、骨がもろくなる病気で、歯周病によってつくられる炎症性物質が全身の骨の代謝に悪影響を及ぼすためと考えられています。

◆低体重児出産・早産
歯周病によってつくられる炎症性物質が血液中に入ると、低体重児出産や早産が起こりやすくなります。歯周病の母親が早産になるリスクは、歯周病でない人の7.5~8倍です。

▽妊産婦歯科検診
母子健康手帳を渡す際に妊婦歯科検診を案内しています。また、産婦には4カ月児健診で歯科検診を実施していますので、自分と子どもの歯を守るためにも、定期的に検診を受け、メンテナンスしましょう!

■治療後もメンテナンスを
歯周病は再発の多い病気であり、治療後も再発を防ぐために定期的なメンテナンスが必要です。
メンテナンスの期間は一般的には2~3カ月に1回程度ですが、内科的疾患などがある場合は1カ月、特に問題がなければ半年に1回など、人それぞれとなりますので、歯科医院で確認しましょう。

■歯周病検診のすすめ
今年度中に20歳、30歳、40歳、50歳、60歳、70歳になる人へ歯周病検診受診券(緑色のハガキ)を送付していますので、ぜひ遠賀中間歯科医師会加入の協力医療機関で歯周病の検診を受けましょう。
受診期限:令和7年2月28日(金)
費用:600円

■今回の記事を監修してくれたのは…
遠賀中間歯科医師会 理事 秋山 悠一先生
医療法人社団秀和会水巻歯科診療所院長。
一般歯科診療に加え、通院困難な人への歯科訪問診療に従事。従来型の形態回復を目指した治療に加え、機能回復を目指した口腔(こうくう)ケア支援や摂食嚥下(えんげ)に関する相談など、多職種との連携を図りながら地域医療に携わっています。

問い合わせ:健康対策係
【電話】093-293-1253

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