〔テーマ〕スマホ肘(スマホエルボー)の予防・解消
飯塚市立病院 リハビリテーション室
作業療法士 大熊(おおくま) 唯加(ゆいか)
皆さんは「スマホ肘(スマホエルボー)」という言葉を聞いたことがありますか。
便利なツールとなるスマートフォンですが、長時間の使用や負担のかかる使い方により、身体に様々な症状や問題を引き起こすことがあります。
スマホ肘の症状は、肘の外側または内側の痛み、握力の低下、腕の痺(しび)れです。日常場面では、ドアノブを回す、タオルを絞る動作で肘の外側に痛みが出ることや、物を支えた時・持ち上げた時に肘の内側に痛みが出ることがあります。
スマホ肘の原因として、具体的には(1)肘を長時間曲げる(2)手首を不自然な角度(手首を反らしている状態)で動かす(3)親指や小指に過度に力を入れてスマートフォンを持つ、などがあり、腕や肘の筋肉に負担がかかる使用法が結果的に神経に影響を及ぼし、痛みや痺れが発生します。いわゆる「テニス肘」や「ゴルフ肘」と同じような症状です。
スマホ肘を予防・改善するためには、日常生活においていくつかの工夫が必要です。対策としては、(1)姿勢の改善(スマートフォンを使用する際は、肘を極端に曲げないように注意し、スマートフォンを目の高さまで持ち上げ、首や肩への負担を軽減する。)(2)休憩とストレッチ(肘や手首のストレッチを行うことで、筋肉や神経の緊張が和らげる。)(3)握り方の工夫(スマートフォンを持つ手を頻繁に交代させ特定の部位に過度な負担がかかるのを防ぎ、出来るだけリラックスした状態で持つ。)(4)補助ツールの活用(スマートフォンホルダーやスタンドを活用することで腕の負担を軽減する。)(5)適切な使用時間の設定(長時間連続して使用するのではなく、30分ごとに5分間の休憩を取り入れるなど区切って使用することを心がける。)があります。
スマートフォンが現代社会に欠かせなくなった今、スマホ肘は新たな健康問題の一つです。健康な生活を維持するために、スマートフォンの使用方法に注意を払い、スマホ肘のリスクを減らしましょう。
※飯塚市立病院よりお願い
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