Q.いわきは心疾患が多いと聞いて不安です…
A.地域特有の課題にも対応できるよう、市医療センターでは専門チームを組み、高性能の医療機器を用いて治療を行っています。
心疾患は心臓に起こる病気の総称で、本市は全国平均と比べて、心疾患による死亡率が高くなっています。右図で示したとおり、全国平均を100とした場合、特に男性は128.9という高い死亡率になっています。
(出典/H25~H29年人口動態保健所・市町村別統計)
◎ハートチームの結成
市医療センターでは、循環器内科と心臓血管外科を中心に、多職種が力を合わせて「ハートチーム」を結成。技術的な研鑽だけでなく、患者さんごとの適応判断力の向上や安全性の確保にも努めています。
◎高性能機器の導入
心血管X線撮影装置と手術台を備えたハイブリッド手術室。心臓カテーテル室で実施する血管内治療と、手術室での開胸手術を同時に行うことができ、より安全に行えるとともに、各機器を組み合わせることにより、高度な心血管治療に対応しています。
メタボリックシンドロームや食事での塩分の取り過ぎは、高血圧の原因となります。高血圧が進むと心疾患のリスクが高まりますので、まずは日頃の生活習慣を見直してみましょう。
Q.いわきの医療の現状を詳しく知るには?
A.市医療センターが年3回発行する「みまや通信」をはじめ、各種媒体で最新情報を発信しています。
・いわきの医療Instagram
・いわきの医療ホームページ
・市医療センター広報誌
※詳しくは、本紙に掲載の二次元コードを読み取ってご覧ください。
■次世代の医師を育成
ー未来へつなぐー
医師不足に加え、医師の高齢化が進む中、若い医師をいわきから育てるための取り組みとして、令和4年4月から県立磐城高校に「医学コース」が新設されました。
市や医療機関と連携した体験実習などを通して、医師としての人間性を醸成し、医学部進学に特化した学習・進路指導の充実を図っています。
◇医学との出会いと深めた意志
昨年12月に県立磐城高校医学コース1年生向けに行われた縫合体験会。第一線で活躍する外科医の先生から、手術で必要となる縫合の仕方などの指導を受けました。生徒は初めて使う医療器具に戸惑いながらも次第に慣れていき、その表情からは医師という職業への意識が芽生えていました。
体験会を主催した澤野医師(常磐病院)は「外科を志す医師が減っているので、ぜひ、ここから外科に進む人が出てくれると嬉しいです。そして、いわきの地域医療に貢献してほしいですね」と今後への期待を語ってくれました。
1月に同校医学コース2年生向けに行われた常磐病院での見学会と市医療センターでの外科手術体験セミナー。生徒は電気メスを使った切開や縫合、腹腔鏡の体験、手術支援ロボット「ダビンチ」を使ったシミュレーションなどを、医師から直接指導してもらいながら体験しました。体験を終えた生徒は「医師になりたいという思いがより一層強まった」と頼もしく語ってくれました。
◇「つなぐ」をつなげる
日々つながれている「いのち」は、さまざまな医療従事者の強い使命感によって成り立っていることに気付かされます。
医療という分野において、このいわきが「学び・研鑽」のフィールドとして貢献し、未来の医療人をつないでいく。
医師不足に対する特効薬はなくとも、未来を見据えた「ひとづくり」をいわきの地域医療全体で取り組んでいきます。
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