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市民の健康教室

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福島県いわき市

■腰痛[3]~内臓性腰痛・腰痛の予防法~
腰痛で日常生活が制限されてしまうと体力が低下し、腰を支える筋力も衰え、また精神的にも落ち込むために、さらに腰痛が起きやすくなります。この悪循環を断ち切るためには、中腰にならないなど姿勢に注意し、また、腰の支持性を高めるための運動や体操をすることが必要です。個々の状態に応じた体操や運動方法については、運動器リハビリテーションができる整形外科で相談されることをお勧めします。
内臓疾患で腰痛が起こるものは、消化器系では、胃・十二指腸潰瘍、胆石、胆嚢炎、膵臓炎などで、腹痛や血便、吐き気、嘔吐などを伴います。泌尿器科系では、尿路結石、腎結石、腎盂腎炎、前立腺がんなどがあり、排尿障害や血尿がみられるのが特徴です。婦人科系では、子宮内膜症や子宮がんなどで、おりものの量の増加や不正出血なども生じます。循環器系では、心筋梗塞を起こした際に腰背部痛が起こることがあり、腹部大動脈解離では、腰と下腹部に突発的な激痛が走ります。
このような腰(背)部痛は関連痛と言われ、脳の誤認識によって生じると言われています。内臓は、皮膚に比べ痛覚神経線維の数が非常に少ないため、臓器の異常を痛みとして直接感じることができません。いろいろな外的刺激による体性痛と臓器および周囲の炎症・出血・血管の閉塞などに伴う異常信号は、痛みの発生場所が違っていても、皮膚の痛みとして感じてしまいます。
腰痛の原因はさまざまです。重大な病気か潜んでいる場合もあるので、早めに医療機関を受診しましょう。

■けんこうQandA 循環器科(12)
ー心不全の最近の治療法ー
Q:心不全の治療には、薬物療法や運動療法以外には何かないのですか?
A:お薬での治療が基本で、最近はファンタスティック4という4種類の薬剤が勧められており、より健康寿命が伸びることが見込まれています。医学の進歩でさまざまな治療法ができるようになってきました。重症弁膜症には外科手術だけでなく、カテーテルを用いた血管内治療ができるようになってきました。心臓の収縮が低下した患者さんにはペースメーカーの機能を利用して収縮のずれを直す心再同期療法やノーベル賞を受賞した山中伸弥教授のiPS細胞の技術を用いて培養した筋肉の膜を心臓に貼り付けるパッチ療法が行われるようになってきました。若年者であれば心臓移植も行われています。最近はブタの心臓を人間に移植する方法もアメリカでは試されています。また、高齢の方の場合は、植え込み型人工心臓の移植も始められています。いろいろな選択ができますが、自分の人生です。人生会議(ACP)をしっかり考えましょう。

■形成外科医療録(12)
ー悪性腫瘍と形成外科ー
悪性腫瘍で代表的なものは、悪性黒色腫(メラノーマ)・基底細胞がん・有棘(ゆうきょく)細胞がん(扁平上皮がん)です。また、がん前駆症や早期がんとしては日光角化症(光線角化症)・パジェット病・ボーエン病などがあります。実際には、これらの他にもまれな悪性腫瘍もありますが、ほとんどの発生場所は皮膚ですので、基本的に治療の第1選択は切除となります。
腫瘍を切除した部分が大きいと、そのまま単純に縫合できずに傷が閉じられないことがあります。その場合は、皮膚移植(植皮)や局所皮弁あるいは遊離皮弁といった再建法を使います。局所皮弁とは、皮膚欠損部の近接部から一部をつなげた皮膚をあてがい閉鎖する方法です。遊離皮弁とは、ある血管が支配する筋肉や皮膚をひとまとめにし、一旦体から切り離し、腫瘍摘出部にある血管と縫合し生着させる方法です。
脳神経外科、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科、外科、産婦人科、小児科(外科)など多くの診療科と共同で再建などの治療を行うのが形成外科の特色の一つでもあります。

◎かかりつけ医の紹介・相談は、医師会事務局へ
(ホームページURL【HP】https://www.iwaki.or.jp)

提供・問い合わせ:(一社)いわき市医師会
【電話】38-4201

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