おかえりなさい、はじめまして。
■~大好評開催中~大山忠作襖絵展
二本松市出身で現代日本画壇の重鎮として活躍した大山忠作画伯。その画業を永く顕彰することを目的として、平成21年10月1日に大山忠作美術館を開館しました。
開館15周年を迎えた今、大山画伯が2年の歳月をかけて完成させた門外不出の襖絵が二本松に里帰りしています。
大山忠作生誕100周年にあたる2022年から展示の構想がはじまり、美術館開館15周年を迎える本年、多くの方々の協力のもと、念願の開催となりました。
今回の特集では、襖絵「日月春秋」の魅力と、成田山新勝寺からの里帰りの様子についてお伝えします。
美術に興味のある方もそうでない方も、きっと美術館へ足を運んでみたくなるはずです。
全28面もの圧倒的なスケールと絢爛豪華でありながら、荘厳さにも包まれる襖絵「日月春秋」をこの機会にぜひご覧ください。
◆成田山新勝寺襖絵(なりたさんしんしょうじふすまえ)「日月春秋(にちげつしゅんじゅう)」とは
1984年、弘法大師の入定1150年の御遠忌(ごおんき)記念事業として企画されたものです。
襖絵とは、その名のとおり襖に描かれた絵画で、日本独自の絵画形態といえます。
画題は『日月春秋』、光輪閣という名にふさわしい日の出や満月、日本を代表する季節として春と秋の表現が福島県内の風景を基に作成されました。
約2年の制作期間を経て、1981年1月28日に成田山の客殿である光輪閣2階の大広間2室の襖絵としてに奉納されました。
奉納されてから新勝寺以外で展示されるのは、史上初となります。
◆大山忠作画伯の長女 大山采子(さいこ)さんが語る~襖絵の見どころ~
襖絵を見るとき「二重の対比」に注目してほしい。
まず、昇る朝日と夜の月、そして春秋。
次に、日月の極限まで描き込みが削ぎ落されていることと、春秋の桜の花びらと楓の細部まで描き込んでいること。
この対比に注目して襖絵「日月春秋」を見ると、一人の画家が、これだけタッチの違うものを描く試みをしたということに驚かされる。
そして、中でも「すごい」と思うのは「日」。
若い時に見た時は「なんだか単純で、もっと描けばいいのに」と思ったが、歳を重ねて、あの大きな画面で削ぎ落とし、丸しか描いていない勇気とか潔さとかそういうことをだんだんわかってくると「あっ、これはやっぱりすごい絵だな」と思う。
■おかえりなさい、はじめまして。「日月春秋」が里帰りするまで
▽作品の運搬・展示にあたって
作品自体に傷がつかないようにすることはもちろん、持ち方によって作品が歪むことのないよう細部まで気を遣いました。
また、制作から年数が経過しているため、絵の具が剥離しないよう細心の注意を払いました。
▽念願のオープン
公開初日より、多くのお客様にご覧いただいています。
※詳しくは本紙をご覧ください。
■大山忠作美術館開館15周年記念特別企画展 大山忠作襖絵展~成田山新勝寺襖絵「日月春秋」~
日時:11/17(日)まで(期間中の休館日なし)
9:30~17:00(最終入館は16:30)
観覧料:一般800円(700円) 高校生以下400円(300円)
※()内は団体料金
場所:二本松市大山忠作美術館(二本松市本町二丁目3番地1 市民交流センター3階)
※菊人形展、二本松歴史館、智恵子記念館、美術館第29期常設展のいずれかの入館券を提示いただくと、()内の料金でご覧いただけます。
■大山忠作 画伯
1922年 市内根崎に出生
1946年 台湾から復員後、第2回日展にて初入選、以降連続入選
1968年 第11回日展にて文部大臣賞受賞
1987年 二本松市名誉市民に推戴
2005年 日展会長就任
2006年 文化勲章受賞
2009年 86歳にて逝去
▽代表作
「池畔に立つ」
「智恵子に扮する有馬稲子像」
「光池游々」
※会期中に市民ギャラリーで開催される「大山忠作の足跡」で展示されています。
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