■実はここにも!?市内の札所をめぐってみよう!
市内にある「会津の三十三観音めぐり」札所は9か所。ここでは、各札所を紹介します。
観音堂は地域の歴史資源であるとともに、信仰の対象です。訪問の際はマナーを守り、配慮をお願いします。また車は適切な場所に駐車しましょう
◆12番札所
田村山観音
場所:北会津町田村山字堂ノ下146
伊達政宗時代の戦火で焼かれ、田村山地区に遷(うつ)されたといわれます。現在の観音堂は強風の被害を受け、1903(明治36)年に再建されたものです。裏手には「産(うぼ)清水」があります。
▽御朱印管理人 岩渕賢美(けんみ)さん、田村万(まん)さん
昔は子どもたちが境内を掃除したり、夏には清水でスイカを冷やしたりと古くから生活に溶け込んだ場所です。集落ではお堂を守り、受け継いできました。その信仰に通じるような思いを感じてもらえたらと思います。
◆13番札所
舘(たて)観音堂
場所:北会津町舘17
かつて堂ノ下地区にあった観音堂が洪水で流された際に、村人の屋敷に流れ着いた観音像を祀(まつ)り建立したと伝わります。1588(天正16)年に戦火により焼失し、再建されました。
◆14番札所
[市指定文化財]下荒井観音堂
場所:北会津町下荒井60
開基した僧の高野山行きを、観音の化身がとどめたという伝説があります。江戸時代に改築され、観音堂内には、1間半(約2.7m)ほどの龍の天井画が残されています。
▽下荒井区長 坂内敏之さん
龍の天井画や彫刻の数々が見事なお堂です。天井画は毎年1月17日のご開帳の際に見ることができます。日本遺産フェスティバルをきっかけに、足を運んでもらえたらいいですね。
◆15番札所
高瀬観音堂
場所:神指町高瀬81
応湖(おうこ)川を渡る船が転覆し溺死した商人・金売吉六(かねうりきちろく)の冥福を祈り建立されたと伝わります。観音堂近くでは、国指定文化財「高瀬の大木(大ケヤキ)」の堂々とした姿を見ることができます。
▽高瀬共有財産区管理人 佐藤榮希(えいき)さん
地元はもちろん、全国からさまざまな方にお越しいただいています。思いをこめて整備し、皆さんをお迎えしていますので、たくさんの方に関心をもって見てもらえたらうれしいです。
◆16番札所
平沢観音堂
場所:町北町中沢字平沢419
観音堂には一尺七寸(約51cm)の聖観音像を安置。かつては地区の女性がお堂に集まって過ごす「お籠(こも)り」という習慣がありました。安産祈願のために訪れる人も多い観音堂です。
◆17番札所
中(なか)ノ明(みょう)観音堂
場所:町北町始字中ノ明119-2
沼底に沈んでいた光を放つ大木から現れた観音像を祀るために建立されたという伝説があります。入り口の山門には、金剛力士像や大わらじなどが奉納されています。
◆18番札所
滝沢観音堂
場所:一箕町八幡字坂下地内
明治時代の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)により、滝沢不動尊の境内に遷うつされました。毎年1月3日に祭礼が行われ、ご開帳されます。観音堂近くには、落差約25mの白糸の滝と不動川が流れています。
▽滝沢区長 小沼浩一(こういち)さん、御朱印管理人 横山義人(よしと)さん
観音堂、不動尊、神社が隣接し、奥に滝を臨む絶景が楽しめます。また、滝沢観音だけでなく、ぜひ会津三十三観音の全てをめぐり、会津各地の土地柄にふれてみることをお勧めしたいです。
◆19番札所
石塚観音堂
場所:川原町5-50
葦名直盛(あしななおもり)により建立され、後には蒲生忠郷(たださと)の母・振姫が深く信仰しました。ご本尊の胎内に納められている聖観音像は、佐原義連(さわらよしつら)が大蛇を退治した際に兜に据えた守り本尊と伝わります。
◆20番札所
御山観音堂
場所:門田町御山字館山甲3080
807(大同2)年、岩屋山の岩窟に建立されたと伝わり、平成4年に現在の場所に遷されました。ご本尊の中には源義家ゆかりの胎内仏が納められ、「子授けの観音様」ともいわれます。
▽磯吉の子孫 福島正樹(まさき)さん
観音像は江戸時代に二度の盗難にあいましたが、御山地区の磯吉という村人の夢枕に観音様が現れ、発見することができたそうです。その縁から、今も祭礼の際に観音像を岩屋山に運ぶのは、磯吉の子孫の役目です。
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