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「棚田といえば高郷」~地域資源を生かし、地域の活性化を目指して~

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福島県喜多方市

磐見地域(小土山地区)の棚田。
遠くに磐梯山が美しく見えることから磐見(いわみ)と名付けられたと言われています。

■地域資源を生かす
高郷町は、中山間地域のため、棚田が多い地域です。日本の原風景のような棚田を地域活性化に生かそうと、地元集落の有志で構成された活性化委員会が発足し、協働のまちづくり事業の検討をはじめました。
そして、温泉保養施設「ふれあいランド高郷」を発着として、棚田の風景が美しい磐見地域を巡るウォーキングコースを地域資源とするプロジェクトが平成26年度にスタートし、現在の「たかさと棚田ウォーク」につながっています。

■「棚田といえば高郷」まちおこし事業
平成27年度からスタートした事業で、「たかさと棚田ウォーク」が事業の中心です。ウォーク折り返し地点の小土山集会施設では、小土山行政区や活性化委員会の皆さんのおもてなしなどの協力を得て開催しています。参加者からは、「地元の方々とのふれあいがとても楽しかった」など好評で、イベントを通じた交流と関係人口の拡大が期待されています。
一方で、人口減少と高齢化の影響により、イベントでのおもてなし活動などは年々、身体的にきつくなってきたとの声も聞かれています。イベント交流による賑わい創出が図られるものの、過疎高齢化という地域社会の現状は、深刻な問題となっています。
地域の方々と一緒に「喜多方に住みたい、住んで良かった」と思ってもらえるような魅力あるまちづくりにするため、「たかさと棚田ウォーク」をはじめ、「棚田マップ」の作成、「棚田の写真展」の開催など、棚田といえば高郷と言われるように取り組んでいます。手探り状態で始まった取り組みは、地場産品の商品化や、福島県の「ふくしまの棚田紀行」に「こづちやま棚田」として選定されるまでになりました。

■今後の展望と宝探し
普段の生活では気づかないものが、都市部の人から見ると宝物のようにみえることがあります。新たな地域資源の掘り起こしを行い、高郷町は宝の山と言われるように魅力ある宝探しに取り組んでいきます。

◆ミニ知識 棚田の役割
棚田はお米の生産だけではなく、土砂崩れの防止や雨水の貯水(小さなダム)など、生活の安全を守る役割を持っています。棚田が多い中山間地域は、豊かな自然環境が保たれていることから、たくさんの生物が生息し、生態系を築き育みの場になっています。
農林水産省では、多面的機能を持つ優良な棚田を「つなぐ棚田遺産」として選定しています。山都町相川地区および早稲谷地区の「上堰棚田」が選定されています。

◆棚田で活力を
[Interview]こづちやま棚田の会 会長 橋谷田弘由さん
棚田を活用した地域活性化を行う団体として、活性化委員会が発足しました。関東方面での物産販売やイベントに出店し、地場産品の販売を通じて地域の魅力を発信してきました。出店する際に、活性化委員会の名称ではなく、団体のイメージが湧くように『こづちやま棚田の会』と名付けました。活性化委員会もありますが、『こづちやま棚田の会』に活動を移行しています。
『こづちやま棚田の会』は、棚田と磐梯山の眺望が魅力な「たかさと棚田ウォーク」や、市と西会津町にまたがる富士山の山開き、お米の販売と特産品開発、関東方面での物産販売などを行っています。
特産品には、富士山の清水を引いた棚田で作ったブランド米『美米(うまい)』や、このブランド米を使用して造ったお酒『棚田の煌』、お米以外にも『えごま』や『ザーサイ』、地元産のじゃがいもがベースの『富士の漬素』などがあります。全てではありませんが、ホームページでインターネット販売もしています。
棚田を地域活性化に活用していくうえで課題はあります。高齢化と後継者不足で、休耕地が増えているのが現状です。草刈りだけでも大変ですからね。休耕地の活用は、個人では費用と労力の面で大変ですから、組織的な取り組みを進めていく必要があります。また、後継者については、イベントや物産販売などで魅力を伝えると同時に、つながりを持っていくことが大切だと思います。今年、農業体験を受け入れて、田植えや大豆の種蒔きを体験してもらいました。こうしたこともつながりの一つですし、小土山を考えるきっかけになってほしいと思います。
課題はありますが、棚田の魅力が多くの方に伝わるよう、PR活動や、特産品開発と販売促進を行い、活力ある地域にしていきたいです。

問合せ:高郷総合支所 産業建設課
【電話】44-2114

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