◆第5回コミセンミニ展示
コミセンミニ展示「大滝神社の浜下り行事~遥かな道 ひたすらな思い~」が楢葉町コミュニティセンターロビーで開催されています。350年にわたり「浜下り」が受け継がれてきた原動力はどこにあるのか。それを残された古文書と調査記録写真から探ろうとする企画で、8月30日まで展示されます。
◆大滝神社の浜下り行事
かつて浜通りの約120カ所で行われていた「浜下り」は、過疎化・高齢化による人材不足や震災被害の影響により現在では楢葉町の大滝神社・羽黒神社を含めわずかとなってしまいました。「うたげ」「ほかい」という古い鎮魂の形態を残した祭には地域安寧の祈りが聞こえてきます。
平成30年、東日本大震災により休止されていた福島県指定重要無形民俗文化財「大滝神社の浜下り行事」の神輿渡御が8年ぶりに再開されました。完全な形ではなかったにせよ、江戸時代から続くといわれる伝統行事の復活は、この地で暮らす人々の心に希望の灯をともしました。翌31年には子どもみこしも再開の運びとなり、沿道からは盛んな声援が送られました。また、同年2月、木戸八幡神社本殿(町指定)の改修工事に伴い屋根裏から「寛文五年」(1665年)と記された墨書が見つかり、これは単に本殿再建の時代だけではなく、この神社と共にあった「浜下り」がいつごろから始まったのかを知る貴重な発見となりました。
何故に浜下りが350年にもわたって守り続けられてきたのか…。ただ神事というだけで片付けられることではなく、そこには郷土を次世代へ継承させずにはおれないという熱い思いと、その思いを共有する人間同士の強い絆が見え隠れしてなりません。「思い」を「形」にしたものを「文化」と呼ぶならば、「文化」の継承の中にこそ楢葉町の再生~創成があると考えられます。
お問い合わせ先:生涯まなび課
【電話】0240-25-2492
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