◆戦国時代の楢葉
15世紀半ばから16世紀末までの約1世紀にわたり、全国各地で合戦が頻発していた時代を戦国時代と呼んでいます。この時代は、室町幕府が弱体化し、権力を手にした地方領主が戦国大名となって覇権を争っていました。
この頃、楢葉町を含む楢葉郡(富岡町、川内村、楢葉町、広野町、いわき市北部の一部)は岩城氏の家臣である猪狩氏が支配していました。それ以前の楢葉郡は、楢葉氏により統治されておりましたが、文明6(1474)年に岩城氏に滅ぼされ、重臣であった猪狩氏はその功績により楢葉郡の領地を与えられました。
楢葉郡は岩城氏と敵対する勢力との争いのなかで翻弄され、天文年間には一時相馬氏の支配をうけることとなりますが、その後再び岩城氏の領土となり猪狩氏が統治を任され、慶長7(1602)年に岩城氏が所領を没収されるまで続くこととなります。
さて、現在の楢葉町において戦国時代に存在していた城館跡は9か所確認されています。その多くは土地の高低差や自然の堀ともいえる河川を活かした場所に築城され、自然の地形を利用して、容易に敵に攻め込まれない守りを有していました。戦国時代において楢葉町内は戦略的に重要な土地だったのかもしれません。
現在、大地とまちのタイムラインにおいて開催中の特別企画展「戦国時代の楢葉」では、楢葉城の歴史、戦国時代の楢葉、戦国時代の楢葉のくらしの3つのテーマをもとに、現存する貴重な古文書や、城跡からの出土遺物の展示を行っております。
この夏、“ならは涼み処”のコミュニティセンターで、歴史ロマンに浸ってみませんか?
◆楢葉町×東京大学総合研究博物館連携ミュージアム大地とまちのタイムライン開館一周年記念 令和6年度 特別企画展「戦国時代の楢葉」
開催期間:7月20日(土)~11月30日(土)
休館日:月曜日、国民の祝日
開催場所:大地とまちのタイムライン(楢葉町コミュニティセンター1階)
主催:楢葉町教育委員会・東京大学総合研究博物館
事業支援:公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進事業【大学等の「復興知」を活用した人材育成基盤機構構築事業】
◆記念講演会
演題:「戦国時代の楢葉郡と岩城氏・猪狩氏」
講師:泉田邦彦氏(東北大学大学院文学研究科専門研究員/石巻市博物館学芸員)
日時:8月24日(土)13:30~15:00
場所:楢葉町コミュニティセンター 大会議室
共催:日本学術振興会科学研究費助成事業若手研究
「戦国期奥羽領主の権力編成と「洞」―福島県浜通りと隣接地域を中心に―」
お問い合わせ先:生涯まなび課
【電話】0240-25-2492
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