Qちゃん:市内に住む小学生
つぼくら先生:相馬中央病院医師、福島医大主任教授
■自然放射線と人工放射線
Qちゃん:放射線には、人工のものと自然のものがあったはずだけど、その2つはどう違うのかな?
つぼくら先生:人工放射線には、大気圏内核実験で生成され、環境に放出された放射性核種や、原子力発電、産業利用、医療などから放出された放射線があるよ。
自然放射線には、地球誕生の時から存在する長寿命の放射性核種や宇宙線によって生成される放射性核種からの放射線があって、食べ物や大気中、建物など常に身の回りにあるものからも出ているよ。
Qちゃん:そうなんだ。人工放射線と自然放射線の違いは分かったけど、ぼくたちが日常で受ける放射線は、人工放射線の方が多いのかな?
つぼくら先生:一部の地域で、福島第一原子力発電所事故の影響が見受けられるなど例外はあるものの、おおむね環境の中の人工放射線は自然放射線に比べて少ないよ。
Qちゃん:そうなんだ。自然放射線が、食べ物や空気、建物とか常に身の回りにあるものから出ているんだったら、自然のほうが人工のものより安全に感じるけど、やっぱり放射線は自然のほうが危険は少ないの?
つぼくら先生:放射線は、発生源によって自然放射線と人工放射線に分けられるけど、放射線自体に変わりはなく、自然と人工で体に良いとか悪いとかはないよ。
放射線の影響はその量の問題だから、自然放射線でも量が多ければ危ないし、人工放射線でも量が少なければ影響は少ないよ。ずっと身の回りにある自然放射線だから安全、後からできた人工放射線だから危険と決めつけることなく、きちんとした知識を身に付けなければいけないよ。放射線は正しく恐れて、賢く避けることが大切なんだ。
Qちゃん:自然放射線とか、人工放射線とかに関係なく、放射線を正しく理解することが大切だと分かったよ。先生ありがとう。
参考文献:文部科学省「放射線副読本(令和3年改訂(令和4年一部修正))」など
◇今回Qちゃんが分かったこと
・自然放射線でも、人工放射線でも人体に与える影響に違いはないこと。
・放射線を正しく理解するため、正しい知識を得る必要があること。
問い合わせ先:放射能対策室
【電話】37-2270
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