Qちゃん:市内に住む小学生
つぼくら先生:相馬中央病院医師、福島医大主任教授
■放射性物質の半減期
Qちゃん:福島第一原子力発電所の事故で環境中に出た放射性物質って、どんなものがあるのかな?
つぼくら先生:主にストロンチウム90、ヨウ素131、セシウム134、セシウム137などの放射性物質が環境中に放出されたよ。
Qちゃん:そうなんだ。いろいろあるんだね。その中で、今も環境中に残る放射性物質はあるのかな?
つぼくら先生:放射性物質は、放射線を放出して次第に放射線を出さない安定した物質に変化するんだけど、この性質によって元の放射性物質が半分になるまでの期間を半減期というよ。それぞれ表のような半減期があって、事故で放出された物質の多くは半減期を経過して放射能が弱まっているんだ。現在、事故関連の放射線の多くを占める物質は、半減期が約30年のセシウム137だよ。
Qちゃん:そうなんだ。原子力発電所の内部もセシウム137だけなの?
つぼくら先生:原子力発電所の内部には、ALPS処理水に含まれるトリチウムなどの放射性物質もあるよ。トリチウムの半減期は約12.3年だね。トリチウム以外の放射性物質も少し残ることもいわれているけど、結局は放射線の影響はその量の問題だよ。
Qちゃん:トリチウムの影響は大丈夫なのかな?
つぼくら先生:ALPS処理水に含まれるトリチウムが出す放射線は弱いから、あまり心配しすぎる必要はないけれど、これからも海洋モニタリングを続けて科学的根拠で大丈夫だということを示し続けていく必要があると思うよ。
Qちゃん:きちんとそれぞれの性質を知ることが大切だと分かったよ。先生ありがとう。
○原子力発電所事故由来の放射性物質と半減期
※PBq=ペタ(1千兆倍)ベクレル。
出典:「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(令和5年度版)」
■今回Qちゃんが分かったこと
福島第一原子力発電所事故で出た放射性物質は、半減期などによって変化しているため、正しい科学的根拠に基づいて性質を理解する必要があること。
問い合わせ先:放射能対策室
【電話】37-2270
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