9月は世界アルツハイマー月間です。
認知症を自分事として捉え、誰もが安心して自分らしく暮らせる地域を考えてみませんか。
認知症は誰もがなる可能性がありますが、認知症とともに、自分らしく楽しみながら生活されている方も多くいらっしゃいます。
今回は、若年性認知症の方ご本人にお話を伺いました。
[?]若年性認知症
65歳未満で発症する認知症。まだ若いからと診断に時間がかかり、うつ病などと診断されることも。
○日頃から楽しんでいることは?
もともと絵を描くことが好きで、紙コップやうちわにキャラクターを描いています。
イラストを写して描いたり、自分で創造したキャラクターを描いたりして楽しんでいます。
他にも、デイケアでは体育館に行って卓球をしています。もともとテニスをやっていたので、身体を動かすと、スカッとして気分転換になります。
○支えや励みになっていることは?
週末は、妻とラーメンや温泉など行きたいところに出かけたり、学生時代の同級生と美味しいものを食べに行ったりしています。
家族や友人と過ごす時間が支えになっています。
■認知症は早期の気付きが大事
認知症専門医 小林 直人(こばやしなおと)先生(あずま通りクリニック)
年を重ねれば、認知症になる可能性が増えていきます。
あれ?と思った時が相談のタイミングです。
最初から専門機関を受診するのではなく、まずは普段通院しているかかりつけの先生や、もの忘れ相談医の先生、地域包括支援センターの窓口での相談をおすすめします。
昨年末からアルツハイマー型認知症の原因となる脳内のアミロイドβ(ベータ)を除去するワクチンが使えるようになり、早期発見・治療が以前にも増して注目されています。
◆認知症の気付きのポイント
・同じことを何度も「言う」「問う」「する」
・置き忘れが増え、いつも探し物をしている
・財布、通帳、衣類などを「盗まれた」と人を疑う
・料理、片付け、計算、運転などのミスが多くなった
・約束の日時や場所を間違えるようになったなど
◆相談窓口
○もの忘れ相談医
認知症の早期発見・早期対応を目的に、福島市医師会と連携し、もの忘れや認知症について相談できる地域の医療機関です。(市内60機関)
○地域包括支援センター
認知症地域支援推進員、保健師、ケアマネジャーなどの専門家がおり、高齢者の総合相談を受け付けています。(市内22カ所)
■認知症の方も安心して暮らせる地域を目指して
◆地域の身近な相談先
「認知症地域支援推進員」
認知症地域支援推進員は、市内22カ所の地域包括支援センターに配置されており、認知症についての相談を受け付けています。
認知症の方も住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる地域づくりを目指して、認知症サポーター養成講座や認知症カフェの開催などの活動に取り組んでいます。
「あれ?と思った時は、ささいなことでも気軽にご相談ください!」
◆私たちにできること
市では、「認知症サポーター」を養成しています。
「認知症サポーター」とは、認知症について正しく理解し、偏見をもたず、認知症の人や家族を温かく見守り、支援する応援者です。
市内の小・中学生や企業の皆さん、地域の団体など、さまざまな方が受講しています。
〈認知症サポーターになってみませんか?〉
◆認知症サポーター養成講座
個人での申し込みはこちらから→
(日本赤十字社福島県支部ホームページ)
※二次元コードは本紙P.3をご覧ください。
◆認知症の方への上手な接し方 7つのポイント
1 まずは見守る
2 焦らず余裕をもって対応する
3 声をかけるときは1人で
4 びっくりさせないように後ろから声をかけない
5 相手の目線にあわせて、優しい口調で
6 穏やかに、はっきりした話し方で
7 相手の言葉に耳を傾けて、ゆっくり対応する
○認知症情報冊子 もの忘れあんしんガイドブック
認知症の基礎知識や認知症の方への接し方、地域の相談窓口などの情報を掲載しています。
ご本人や支援者の手引書としてご利用ください。
○早期受診啓発リーフレット 「わたしからのメッセージ」
認知症の早期受診・早期対応の必要性を伝えるためのリーフレットです。
受診時に役立つ「もの忘れ問診票」などを掲載しています。
問い合わせ:長寿福祉課
【電話】529-5064
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