地域とつながりながら「自分たちのやりたいこと」を実現する。発信力と行動力にあふれたZ世代の挑戦が、郡山のあちこちで生まれています。その姿はまさに「令和のパイオニア(開拓者)」。まずお話を聞いたのは、郡山市出身の大川翔さん。多くの若者とつながってきた彼の話から、Z世代の姿をうかがうことができました。
大川翔(かける)さん
郡山市出身、南相馬市在住の25歳。「福島を変革する男」と銘打ち、南相馬市で移住促進ツアーの企画やガイドの経験を積みながら、取締役兼COO(最高執行責任者)として会社「Find Value(ファインド・バリュー)」を郡山市に立ち上げ、若者と地域・企業をつなげる取り組みを行っている。
■「Z世代」とは?
欧米の「ジェネレーションZ」から由来した、1995年~2010年頃に生まれた世代区分のこと。物心がついた頃からインターネットが普及し、「デジタルネイティブ世代」とも言われています。ネットリテラシー(ネットを使いこなす能力)が高く、多様性やSDGsの観点から、社会的関心も大きいことが特徴とされています。
◇日本の人口ピラミッド
※参考:総務省統計局ウェブサイト
■Z世代が活躍できる土壌づくりを目指す若き変革者
高校までサッカー一筋だった大川さんが地元のことを意識したのは、東京へ進学してから。周りから「福島って何もないよね」と言われ、その反発から関東の駅で県産野菜販売の手伝いや、体験ツアーの運営に携わるなど、福島に関わる活動に参加したそう。地元のモノや人などの魅力に触れるうち、同世代や下の世代にもその魅力を伝えたいと思うように。県産の野菜を福島の若者500人に届けるというクラウドファンディングをきっかけに、福島ゆかりの学生コミュニティ「Spread From Fukushima(スプレッド フロム フクシマ)(SFF)」を立ち上げました。(本紙P9掲載)
「SFFのメンバーを見て思うのは、東日本大震災やコロナ禍を経験したZ世代は、チャレンジ精神と自由な発想、そして地元に対する強い思いを持っているということ。社会や未来に不安感はあるものの、それでも何かをしたい、という気持ちは強いと感じますね。特に福島の若者たちは」と、大川さん。
Z世代の前向きな姿勢により、少しずつ福島の風向きも変わってきていると感じるようで、若い世代が地域で挑戦できる「土壌づくり」のため、現在は地域と共に、学生のサポートや世代間のつながりを広げる活動に励んでいます。
■地域とZ世代をつなげる「Z世代活躍係」
郡山市に住むZ世代は約5万人。人口の約18%を占め、県内の市町村では最多!「何かにチャレンジしたい!」「大人の技術や知識を借りたい」と意欲のある若者たちの活動をサポートするため、昨年4月、政策開発課内に「Z世代活躍係」が誕生しました。職員は心の広い係長と、共感力の高いZ世代の2人。
Z世代活躍係は「若い人のアイデアが欲しい」「若者の可能性を応援したい」と考える地域団体や企業とZ世代の「つなぎ役」を担っています。Z世代と地域団体などが連携することで双方に足りないものを補い合い、新しい取り組みが創り出せる、そんなまちづくりを目指しています。
※詳しくは本紙をご覧ください。
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