私たちの生活に欠かせない、毎日の当たり前を支える水。
毎日使っている井川町の水道について知り、水道の大切さをあらためて考えてみましょう。
■8月1日~7日は水の週間です!
年間を通じて水の使用量が多く、水についての関心が高まる時期である8月初日の1日を「水の日」、1~7日の1週間を「水の週間」として、水の大切さや水資源開発の重要性に対する国民の関心や理解を深めるために定められています。
◆井川町の水道のはじまり
井川町史によると、昭和前半まで井川町の飲料水は井戸を利用したものが主流でした。ところが昭和20年代末、町内の井戸水が枯渇する現象が発生したことから、水道への機運が高まり、昭和30年に西部地区で簡易水道が設置されました。
その後の10年間で町内各地に簡易水道が設置されますが、高度経済成長で生活水準が高まるにつれ、簡易水道では水需要に応じきれない状況となり、本格的な水道の設置に進むことになりました。
昭和40年に知事の認可を受け、41年に着工、昭和43年7月25日に通水式が行われました。当時の給水戸数は874戸で全戸数の67%にあたります。その後、更なる給水需要の高まりにより、給水範囲を飯田川町(現在の潟上市)の一部へ広げ、数回にわたる浄水場の拡張、ダムのかさ上げを行い、現在では全町民が水道の恩恵を受けることとなりました。
◆井川町の水道施設について
井川町の水道は、町東部の林坂浄水場から給水しており、計画給水人口は7,080人、1日の最大給水量は3,100立方メートルの規模で運営しています。
水は俎山(まないたやま)からの表流水を使っており、浄水場へは井川ダム・大又沢・田代沢の3か所から取水しております。水質が良好なため、砂の層に水を通してろ過する方法(緩速ろ過)で水道水を作っています。このろ過方法は、砂の層に自然に作られる生物の浄化機能を利用しており、消毒以外に薬品を使う必要がないことから、比較的水の味が良いとされています。
できあがった水道水は浄水場から高低差を利用して町内に給水されています。高台にある5地区(大台、仲台、赤沢、綱木沢、大野地)は、ポンプ場を経由して給水しています。各ポンプ場では発電機設備等の整備を計画的に進めており、今年度末には全地区において停電時も水道水が止まることのない体制となる見込みです。
◆緊急時の対応について
浄水場とポンプ場には流量計と遠隔監視装置を設置しており、異常発生時には通知を受けた職員が現場へ向かう体制をとっています。昨年7月の記録的大雨の際は、深夜のうちに全ての水源で取水不能に陥りましたが、監視装置によって早期に事態を把握し、対策を練ることができました。翌日の正午から全町で断水を実施しましたが、早い段階で住民・企業へ周知できたこと、他自治体からの協力を得て給水体制を確保できたことが幸いし、大きな混乱のないうちに復旧することができました。
とはいえ、全町での断水は今まで経験のないことであり、その中で様々な課題も生まれました。この反省を生かし、災害時の体制について今一度検討していく必要があります。
私たちの生活には水が必要不可欠です。災害時の断水等に備えて1人1日3ℓの水を最低3日分は備蓄しましょう。
◆施設の更新について
林坂浄水場は昭和42年に建設され、ろ過池や配水池の増設など、さまざまな改良工事を実施してきました。おいしい水を作れる緩速ろ過の浄水場ですが、老朽化が進んでおり、耐震性能など様々な不安を抱えております。施設維持を人力に頼ることも多く、昨年の大雨では浄水場に大量の泥が流れ込み、役場職員総出で復旧作業に当たりました。施設更新には多額の費用がかかることから、今後の水需要や災害リスク等を考慮し、施設能力を適切な規模にしていかなければなりません。
・昨年7月、大雨により浄水場に大量の泥が流れ込み、役場職員が掻き取り作業を行いました。
◆限りある“水”を大切に
地球には14億立方キロメートルの水があるといわれていますが、そのうちの約97.5%は海水で、淡水は約2.5%です。この淡水の多くが北極や南極の氷とのこと。つまり、私たちが身近に利用できる水は地球上の水の0.01%にすぎず、限りある貴重な資源なのです。そんな水を大切に使っていくために、私たちができることを考えましょう。
◇川や湖を汚さないために
川や湖の汚れは、家庭から出る排水が主な原因です。一人ひとりが家庭から汚れた水を流さないための工夫をすることが安全でおいしい水をつくることにつながります。
◇家庭でできる”ひと工夫”
・生ごみ受けに水切り袋を付けましょう!
・皿の汚れ等はキッチンペーパーなどで拭き取ってから!
・天ぷら油などを排水口には流さない!
・洗剤は必要な量だけ!
◇これだけの汚れの元を水に流したら…
魚が住める水質(BOD5mg/ℓ)にするために必要な水の量はお風呂何杯分?
1杯:300ℓ
・醤油(濃い口)大さじ1杯(15ミリリットル) 1.7杯
・味噌汁(具なし)お椀1杯(200ミリリットル) 2.5杯
・マヨネーズ大さじ1杯(15ミリリットル) 13杯
・牛乳コップ1杯(180ミリリットル) 13杯
・天ぷら油(使用済み油500ミリリットル) 560杯
◇節水を心がけましょう
日頃のちょっとした心掛けで、大きな節水につながります。
・洗車
流しっぱなしで洗うと→90ℓ ⇒バケツにくむと約60ℓの節水!
・歯磨き
30秒間流しっぱなし→6ℓ ⇒コップにくむと約5ℓの節水!
◇水量の目安
<この記事についてアンケートにご協力ください。>