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自治体の皆さまへ

ふるさとへの便り

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秋田県東成瀬村

■運転能力を自覚する気持ちを
高齢者講習の案内が届いた。「とうとうきたか」と。変に身構えながらはがきの矢印(開く)をそうと捲(めく)る。免許の更新をする人は、所定の自動車教習所で講習を受けてくれとある。講習を受けたという知人からあらましを聞いてはいたが、その「はがき」を直(じか)に受け取ると少々複雑な思いに駆られる。免許更新まで半年余りある。まだ、かなり先のことだからと、はがきをろくに読みもしないで放っておいた。

先日、某テレビが「高齢者講習」を特集。高齢者の運転能力や、免許返納などの問題と、「実車指導」を取り上げていた。
では、その「実車指導」ぶりはどうだったのか。あえて、放送の狙いが、問題箇所のズームだったとしても。脱輪、縁石乗り上げなどはまだしも、センターラインオーバー、信号見落としとなると。教習所だからいいようなものの、事故に直結しかねない。高齢者だからと済まされることではなくなる。
最近、特に多くなってきたように感じる高齢者ドライバーの事故。事故のニュースが流れると、反射的に「高齢者?」とテレビに注視してしまう。なかでも、高齢者のブレーキ踏み間違いが後を絶たない。加齢による認知機能の低下や、集中力、判断力の衰えを指摘されると、「俺は大丈夫」と反発したくなる。が、決して他人事ではない。間違いなく高齢者の域に達している。

番組は予約状況にもふれていた。地域によっては予約が取れにくいらしい。2か月や3か月どころか、半年も先のところもあるという。これには少し慌てさせられた。そんなに先なら、講習の前に免許そのものが失効してしまう。次の日、近くの自動車教習所に行く。
窓口で「高齢者講習」の予約を告げる。手慣れた様子で予定表を広げる受付の職員に、「何月何日はいかがでしょうか」と聞かれた。ふた月ほど先になるが即決する。誕生日は既に過ぎてしまうが免許更新期限には十分に間に合う。
高齢化社会が進む現在、高齢者の運転は必然的に増える。高齢者講習と併せて事故のない車社会をどう考えていくのか。自動ブレーキシステムや自動運転の技術発展に期待する一方で、やはり運転する基本は本人であること。「私は大丈夫」の過信を持たず、運転能力の低下を自覚する気持ちを忘れないことである。

toko

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