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若者たちによるフリートーク会議 若者井戸端会議(1)

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秋田県能代市

能代市男女共同参画事業として「若者井戸端会議」を開催しました。市内在住の男女5人が参加し、この地域ならではの世代間ギャップや固定概念、多様性への理解などについて、自由に意見交換を行いましたので、その内容を紹介します。この機会に「自分らしく生きていくことができる社会」について一緒に考えてみませんか。

■「自分らしく生きていくことができる社会」について日頃感じていること
◇性別は何を区別しているのか
性別を決める要素は何か、なぜそこを性別で分ける必要があるのかと感じることがある。違う性別とされている人と親しくなると、自然に恋愛を前提とするのかどうかを一度突き付けられ、自分も周りも変に気を配ったり、親しくするとそう思われるのかなと考えることに疲れたりする。また、職場で女性だけに制服があり、男性は帰る時ロッカーから荷物を持ったらすぐ帰れるが、女性は着替えなければいけない。そもそもどうして女性だけ制服があるのか疑問で毎日が苦痛。

女性は化粧をしなければいけないという固定概念が嫌い。制服もスラックスを選べるようになってきたが、多様性を認める土台を大人が作らないと子ども達が戸惑うことになるのでは。男性で化粧をしたい人もいる。男のくせに化粧をしてとか、家事・育児は女がするべきとか、男だから女だからというのが、一生つきまとうのかなと思ってしまう。

◇人への許容力と人との距離感
若い人たちが自分らしく生きていくことができる社会を考えた時に、地方は失敗に対する許容度が低い気がする。他人に対してだけでなく、自分に対してもそのように感じる。今、若い人がどんどん転職するが、転職したい気持ちがあるのに、なかなか踏み切れないのは、自分が失敗することが許せない、失敗したくないみたいな気持ちがあり、周りから失敗したと見られるのが嫌で、他人にもそういうマインドで見ているのではと思う。若い人たちの意見や、やりたいことを否定しないことが大事。

田舎は人との距離が近いところが、良いところでもあり悪いところでもあると思う。若い人の中には、自分のことに踏み込まれるのが嫌な人もいる。まずは、会ったらあいさつや話をするなど信頼関係を少しずつ築いたうえで、仲良くなれたと思ってから踏み込んだ質問をすることが、他世代交流で大事なことと思う。

お節介で、早く結婚しろとか、男がどうとか、女がどうとか言われることを、聞き流す選択肢もある。それを問題提起することも大事だが、受け取り過ぎず、自分には関係ないとスルーするスキルも大事。

◇若者がイキイキ輝くには?
市民自身が能代に対してネガティブな印象を持ちすぎていて、それが能代で暮らす生きづらさにつながっていると感じている。

地元岩手県で東日本大震災を経験。祭りは絶やしたら終わってしまうということで、震災の年もがれきの中を練り歩き、祭りは今でも続いている。祭りのために1年に1回は絶対に地元に戻って来ることがみんなの生きがいになっている。新聞でこども七夕の来年度の運行が難しい状況を知り、今まで子どもたちが楽しみにしてきたことが、いわゆる大人の都合で続けられなくなり、当たり前にあったものがなくなってしまうのは、子どもの経験に大きなギャップとなる。無くなるから仕方ないで終わらせないで、何かできる規模でやってみようとつなげていけるといい。

田舎でやることがない、楽しみがないという人がいるが、楽しいことを探せばいくらでもあるのではないかなと思う。無いものはいくらでもあり、田舎は都会に比べると選択肢の量は圧倒的に少ないと思う一方で、一概に田舎にあるものが都会にも必ずあるかといったらそうでもないと思う。趣味がたくさんあり、自分が所属するコミュニティが、職場や家族以外のいろんなところにある。仕事で失敗した時、居場所を変えることによって気持ちをリセットしている。活動したい人たちは、みんなで盛り上げたい人が多く、参加したい人を歓迎してくれる雰囲気がある。

大学進学を機に関東に出た時は、もう帰って来ることはないだろうと思っていた。一度実家に帰ろうと思い、仕事を探していると、あまりにも選べるものがなさすぎた。この状態の地元を何も選ぶものがないからといって、また都市に行くとなると、自分の帰って来る場所がなくなるのではないかと思った。そこで、この地域で何かできないか、逆に帰って来られる場所を作らなければと思い、今いる人がどうすれば居心地が良くなるのか、地元に残って何かできないか考えている。

東京の結婚式場でパティシエをしていて、能代に戻って引き続きやりたかったが、そもそも求人で働きたい場所がなく、秋田市の結婚式場でパティシエを続けた。能代に戻ると考えていた時、たまたま知り合った縁で、能代のマルシェに出店する機会があり、そこで友達や家族以外の知り合いが増え、居場所ができた感覚ができた。そこから能代にお店を持つのもいいかなと思い始め、能代を好きで盛り上げようとしている仲間がいる環境がある今なら帰って来てもいいかなと思い、今この地域で活動している。産休や育休の友達で、能代に居て何をしたらいいか分からない人が多い。そのような人達にも届くような情報発信をしていきたい。

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