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特集-Special Feature-地域医療を守るために(1)

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秋田県鹿角市

体の調子が悪いときに病院に行く、治療のために薬を飲む――。
私たちの生活は常に医療に支えられ、命を守る医療は必要不可欠なものです。しかし今、さまざまな課題を抱える医療現場。
地域医療を守るために大切なことは何か、市民の声や医療関係者の言葉などからその手がかりを探ります。

■鹿角市の地域医療の将来について、どのように感じていますか?(回答数…124人)

■地域医療において、特に改善してほしい点は何ですか?(複数回答可)

■9割の人が地域医療に対し不安を抱えている
毎年、市民900人を対象に実施している市民アンケート。市のさまざまな事業の効果や、市民の皆さんの意識やニーズを把握するため実施しています。そのアンケート結果で、近年、重要度が高い取り組みの1位として毎年挙がっているのが「適切な医療を受けられる体制の整備」です。
市では、皆さんの思いをより詳細に把握するため、メール配信サービスを活用し、地域医療に関する追加アンケートを実施。124人から回答をいただきました。
その結果、「現在の鹿角市の地域医療の現状について、どのように感じていますか?」という質問に対して「不安である」「やや不安」であると回答した人は計108人で、約9割の人が、地域医療の現状に対し不安を抱えていることが分かりました。将来に対する感じ方ではその傾向がより顕著で、「不安である」「やや不安である」と回答した人は計116人で、94%の人が今後の地域医療に希望を持てていない状況であることがうかがえます。
「地域医療において、改善してほしい点は何ですか?」という質問に対しては、「医療機関の充実」が105件で最も多く、次いで「医療の質」「医療のアクセス」と続きました。

■2次医療圏の再編、課題を抱える地域医療の現場
日本の医療体制は、1次医療圏、2次医療圏、3次医療圏の3つに分けられます。入院を伴わない比較的軽度の日常的な医療の提供や健康管理を行うのが1次医療圏。入院や手術が必要な患者への入院医療などを提供するのが2次医療圏。1次・2次のどちらでも対応できない、高度・先進的な処置を提供するのが3次医療圏です。
本市は、大館市、小坂町と合わせて1つの2次医療圏として定められていて、開業医などの診療所が1次医療を提供し、かづの厚生病院と大館市立総合病院は、2次医療に加えて、開業医の診療科目が少ない診療科での1次医療も提供する役割となっています。
現在、県はこの2次医療圏の再編計画を進めており、県全体で現在の8医療圏から3医療圏に設定を見直す方針を公表しています。もし再編が決まったとしても、本市においては、2次医療を提供する拠点は変わらないため、今のところ大きな変化があるわけではありません。
しかし、医師・看護師などの医療従事者や、精神科や産婦人科などの診療科の不足、既存の開業医の高齢化・後継者問題など、地域医療の現場はさまざまな課題を抱えています。

■鹿角市周辺の医療圏の状況

▼2次医療圏の再編計画
○現在(8医療圏)
大館・鹿角、北秋田、能代・山本、大仙・仙北、秋田周辺、横手、由利本荘・にかほ、湯沢・雄勝

○今後(3医療圏)※予定
・県北(大館・鹿角、北秋田、能代・山本)
・県央(秋田周辺、由利本荘・にかほ)
・県南(大仙・仙北、横手、湯沢・雄勝)

■アンケートで寄せられた主な意見
▼地域医療に不安を感じる理由
・大館に行かなければ診察してもらえないのかと不安になる。
・開業医の先生の高齢化が心配。
・医師不足の上に、看護師不足で看護師は疲弊している。
・都会との医療格差

▼医療機関を受診して良かったと思うエピソード
・息子の診察で親身になって、「辛かったよね」など話しかけながら優しく対応していただき、この先生に診てもらえて良かったと強く思いました。温かいスタッフのいる医療機関は、安心して受診できます。
・重い病状だったが、主治医を信じて治療をがんばり全快できた。若いスタッフが自信を持って働いている姿に励まされた。
・看護師や受付の方が親身になって話しかけてくださる。思うように回復しない時、手を添えてくださった時の温もり、痛みや不安が和らぎました

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

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