■地域おこし協力隊がまちづくりに取り組む「農の都」
宮崎県の海岸沿い、中央からやや北寄りに位置するのが都農町です。町の東には日向灘が広がり、西には標高1,405mの尾鈴山を最高峰とし、矢筈(やはず)岳や畑倉(はたくら)山などを含む尾鈴山地が南北にのびています。
尾鈴山地から東に流れる名貫川の矢研谷(やとぎたに)や欅谷(けやきだに)には巨岩、奇岩が多く、矢研の滝や若葉の滝、すだれの滝などからなる尾鈴山瀑布群は国の名勝に指定されています。
尾鈴県立自然公園などには手つかずの自然が残されており、山地には希少植物のキバナノツキヌキホトトギスや尾鈴寒蘭が自生し、恵まれた自然を有しています。
秋は紅葉狩り、春から初夏には山を彩るシャクナゲやアケボノツツジ、夏は滝めぐり、川遊びなど1年を通して豊かな自然を堪能できるまちです。
日照時間が長く温暖な宮崎県にあって水資源に恵まれる都農町は、ぶどうや梅、みかんなどのくだもの、トマトや大根、白菜などの野菜、米やそば、お茶などが生産される「農の都」です。畜産物としても内閣総理大臣賞4連覇を果たした「宮崎牛」、水産物では都農漁港に揚がるマグロ類やカジキ類などがあります。
長い歴史を有するまちでもあり、古代の古墳である積石塚群、日向国一之宮都農神社などがあり、都農神社の夏祭や高鍋神楽、寺迫奴(てらさこやっこ)踊りなどが大切に守られています。
■山と滝と海、変化に富んだ自然とくだものやワインなど名産品が自慢
◇尾鈴山(おすずやま)
日本200名山に選ばれており、その魅力は手つかずの自然が残され、山の恵みでいきいきと自生している草木の豊かさ。
◇矢研(やとぎ)の滝
名貫川の上流にあり、日本の滝百選に選出された落差約73mの滝。矢研の滝の名は神武天皇が東征の折に、この滝の水で矛や矢を研いだという神話に由来する。
◇都農ワイナリー
日向灘を望む牧内台地にある平成8年創業のワイナリー。併設のベーカリーカフェではぶどうの酵母を使ったパンなどを味わえる。
◇都農漁港
地元で「金ふぐ」と呼ばれるシロサバフグが揚がる。港に隣接する施設では幻の高級魚とされるタマカイの陸上養殖試験が行われている。
◇瀧神社
都農神社の奥の宮とされる。水を司る高おかみ神(たかおかみのかみ)がまつられ、社殿の背後に不動の滝があり、近くの不動公園は桜の名所。
※「高おかみ神」の「おかみ」は環境依存文字のため、かなに置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。
◇都農神社
大己貴命(おおなむちのみこと)をまつる日向国一之宮。神武天皇が即位する6年前、東征の折に御祭神を鎮祭されたことが創建と伝わる。
◇道の駅つの
都農神社と開運橋で結ばれる門前町のような造り。物産館「門前市場」には新鮮なくだものや野菜、海の幸などが並ぶ。
◇都農神社夏祭
都農神社の祭。御神幸(ごしんこう)行列では獅子舞、神輿、太鼓台が町を練り歩く。太鼓台が激しくぶつかり合う「ケンカ太鼓台」は迫力満点。
◇ぶどう
雨が多く、かつては果樹栽培に向かないとされていたが、先人の工夫と努力により県下有数のぶどうの里に。今ではシャインマスカットやサニールージュ、デラウェアなど多くの品種が栽培されている。
◇都農ワイン
ワインは地酒であるべき、との考えのもと地元産のぶどうで造られたワインは高い評価を受け、国内外で多くの賞を受賞している。
◇トマト
大玉からミニトマトまで多くの品種のトマトが生産されており、1年を通じて購入できる。オレンジ・黄色・緑などカラフルなトマトも。
※写真は本紙をご覧ください。
◎Tsuno Town
人口:9,515人(令和6年7月1日現在)
面積:102.11平方キロメートル
【URL】https://www.town.tsuno.lg.jp/
■健康で生きがいのある、心ゆたかなまちに
都農町長 坂田広亮(ひろあき)
住民の力で地域の生活課題を解決できる環境をつくるため自治会単位で話し合いの場を設けており、私も出席するようにしています。地区ごとに作成している「支え合いマップ」は、支援が必要と考えられる人とその人への住民の関わりを地図に落とし込んだもので、災害時の活用も想定しています。
地域コミュニティの維持、災害時の情報伝達の有効なツールとしてご高齢の方々にもタブレットなどを使いこなしていただけるよう講習会を実施しており、地域おこし協力隊員のみなさんにもこうした取組にご協力いただいております。
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