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もっと自由に、もっと豊かに 〜障害者芸術文化活動支援〜 No.1

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群馬県

障害のある方が幸福を実感しながら生活していくためには、芸術・文化、スポーツなどあらゆる分野で活躍できる社会を作っていくことが重要です。
県では、芸術文化の分野における障害のある方の自立と社会参加を促進するため、作品展などを開催してきました。県内のさまざまな団体も、それぞれの強みを活かした活動を行っています。その一方で、こうした団体の活動を支援する拠点がありませんでした。
そこで、4月に県障害者芸術文化活動支援センター「こ・ふぁん」を設置しました。
今回は障害のある方への芸術文化活動支援について紹介します。

■「こ・ふぁん」では、こんな活動をしています!
○こ・ふぁんの活動
・障害のある方の芸術文化活動への助言・支援
・アート展や発表会の企画・運営
・さまざまなつながりをつくり、活動の輪を広げる
・作品などの発掘・情報収集・発信
・障害のある方の芸術文化活動を支援する人材の育成

○芸術文化をもっと身近に
「こ・ふぁん」
受託事業者 NPO法人工房あかね
代表 小柏 桂子さん
私は工房あかねでの支援活動で、障害のある方が作品を評価されて自信につながったり、創作活動を通してたくさんの人とコミュニケーションがとれるようになったりする姿を見てきました。その中で、障害のある方がアートに携わることの重要性を実感していました。
しかし、群馬県ではその重要性が十分に知られていないと感じています。そこで今年度は主に障害者支援施設で働く人を対象に、その重要性を知ってもらうためのセミナーに力を入れています。
参加者からは、ぜひ働く施設でもアート活動を導入したいという声をもらい、うれしく思っています。一方で、導入の仕方が分からないという相談も多く寄せられています。
今後は県と協力して、各施設の芸術文化活動の導入を個別に支援できる体制を整え、より多くの障害のある方にアートを広めていきたいと思っています。

■たくさんの作品と出会い、人とつながる場
「こ・ふぁん」では、障害のある方が芸術文化に触れて活動に携わり、さらに生き生きとした毎日を送れるよう、作品の発表や展示、地域の人々と表現を楽しめる場を提供しています。

○絵画展示中
障害のある方々が創作した絵画5点を展示しています。ぜひご覧ください。
会期:3月31日(日)まで
※1月1日(月)〜4日(木)を除く 開庁時間はいつでも見学可能
場所:県庁32階(前橋市大手町)
費用:無料

○私が描きました!
題名:「GUNMA」
作者:yume06(金井 秀美)さん
群馬県を知らない人にも、この絵を見て、群馬の魅力を感じてもらいたいと思い、タブレット端末を使って観光地や特産品をたくさん描きました。
描く中で、周りの人たちからもだるまの形や県の名産品など、アドバイスをもらい、たくさんの人の群馬への想いが詰まった作品になりました。
この絵が展示されると聞いた時は、とても驚きましたが、多くの人に絵を見てもらうことで自信がつきました。今は新しい作品作りに挑戦しています!
・かみつけの里博物館(高崎市井出町)からの依頼で、企画展のポスターのイラストを作成しました。大好きな埴輪を描けて楽しかったです!

■ドラムサークルであそぼう
5年12月にぐんまこどもの国児童会館(太田市長手町)で「ドラムサークル」イベントが開催されました。
障害の有無にかかわらず、多くの人が参加し、共に音楽表現を楽しみました。

○スマイルビート
代表 清水 和美さん
私は、みんなで輪になって自由に太鼓をたたく「ドラムサークル」という活動をしています。自由に太鼓をたたくことで自分を表現でき、言葉を介さずともコミュニケーションを取ることができます。特別支援学校の教員をしていた頃、授業にこの活動を取り入れたところ、感情表現が得意でない児童生徒たちも感情を表現できるようになり、コミュニケーション能力の向上にもつながりました。その経験から、多くの人に「ドラムサークル」を体験してもらいたいと思い「スマイルビート」を立ち上げました。
この活動に参加すると、障害の有無にかかわらず参加者全員が自然な笑顔に包まれます。活動を通して参加者同士で強い結び付きが生まれ、そうした光景を見るたびに、この活動にやりがいを感じています。

・ドラムサークルは自由な音楽を楽しむ活動!
・ドラムの音で踊りを楽しむ人も!

■「楽しかった」を伝えよう! アートサポーター養成セミナー
「こ・ふぁん」では、障害のある方が芸術文化に触れる機会をさらに増やしていきたいと考えています。
そこで、障害者支援施設に勤務している人などを対象に、芸術文化活動の重要性を知ってもらうための取り組みをしています。支援者と障害のある方が、共に芸術文化活動にどのように関われば良いのか、環境や仕組み作り、導入方法などを学び、身体・音楽表現などを体験する「アートサポーター養成セミナー」を開催しました。

・布を使って好きな言葉や、自分の名前など、思いのままに全身で表現してみましょう!
・まずは支援する側が「自由な表現」の楽しさを知ることが第一歩♪
・ペアになって相手の動きを真似してみたり…
・「お題」を決めて全身で表現してみたり…
・みんなで「おでん」を表現しています!私は揺れる昆布になりました!

○講師インタビュー
NPO法人 Ballet Noah TACT
ファシリテーター 藤井 咲恵さん
私たちは、誰もが持っているアートの心を身体を使って表現する「パフォーミングアーツ団体」です。身体表現には訓練が必要と思われるかもしれませんが、特に必要ありません。自分の身体を生かして、自分の動きたいように動くことがとても大切だと思っています。絵画などの美術分野の芸術とは、違う切り口の表現方法として楽しんでもらえればうれしいです。

○セミナーに参加してみて…
社会福祉法人 光の里 エルピスあけぼの
小林 政英さん
参加する前は、施設の利用者に具体的な助言をしながら作品を作っていました。
今回、身体表現を体験し、自分で自由に表現する楽しさや開放感、心の充足感を感じました。これからは施設の利用者の自由な表現を尊重して、芸術文化活動を一緒に楽しみたいと思います。

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