◆音楽療法には回想効果が期待できます♪
(株)ドレミ 小林祐貴さん、木村紗彩さん
高齢の方は咳反射が弱くなり嚥えん下げ機能が低下します。歌を歌って口を動かすことは口の筋力維持・向上に効果があり、むせこみや誤嚥性肺炎を防ぐことに繋がります。
歌には、自分が子どもの時や20代、30代の時の懐かしい音楽を聴くことで自然と昔の記憶を呼び起こし、脳に刺激を与える「回想効果」があります。
▽Interview 手拍子や歌がいい刺激になっています
明石新治さん(赤岩3区)
高齢になってきたので、身体のために通っています。子どもの頃から歌が好きでしたが、80歳を過ぎると声が出なくなってきます。ここで発声したり、太鼓などの楽器で音を出すことで、脳にいい刺激を与えます。
▽Interview 初対面の方とも話題が膨らみ楽しいです!
大谷ときえさん(下中森)
家でじっとしているのはもったいないと感じます。ひとりで実践するのは難しいことですが、教室に来ると多くの方と一緒に挑戦できます。
講師の方や参加者の皆さんと新しい交流が生まれて楽しいです。
◆音楽療法教室参加者募集
水曜コース:4月3日、5月1日、6月5日、7月3日、8月7日、9月4日、10月2日、11月6日、12月4日
令和7年1月8日、2月5日、3月5日
木曜コース:4月25日、5月30日、6月27日、7月25日、8月22日、9月25日、10月24日、11月28日、12月26日令和7年1月30日、2月27日、3月26日(9月25日、令和7年3月26日は水曜日開催)
時間:午前10時~11時30分
会場:
・水曜コース…総合保健福祉センター
・木曜コース…陽だまり交流館
対象者:町内在住の65歳以上の方
参加費:無料
募集人員
・水曜コース…先着40名
・木曜コース…先着25名
申込期間:3月14日(木)~4月1日(月)
問合せ:住民福祉課・地域包括支援センター
【電話】86-7000
■LAST CHAPTER やっぱり笑顔が一番
◆笑う機会の多い高齢者は認知症のリスク2.5割減
65歳以上の高齢者12,165名を対象として笑う機会について認知症予防の影響を検証。その結果、笑う機会の多かった人は、認知症のリスクが低くなり、認知症予防につながる可能性が示唆されました。特に、友人・子どもや孫との笑いが効果的でした。
出典:大阪大学大学院医学研究科
◆介護職の方に聞きました〔介護の現場から〕家族だけで背負い込まないで私たちを頼ってください!
ちよだCOMハウスデイサービスセンター 齋藤浩之さん、新井健義さん
私たちは主にデイサービスの介助を行っています。ご自宅に迎えに行き、リハビリや入浴、レクなどを行います。一日におよそ40名の方が利用し、そのほとんどの方が軽度の認知症と診断されています。症状は、薬を飲んだことを忘れるようなものがほとんどです。
認知症の方と関わるときに気を付けていることは、絶対に否定しないこと。一旦は事実に反することを言ってても受け入れることが大切です。
自宅でお風呂に入れない方で施設で入る必要のある方がいます。その人は風呂に入りたくないと言いますが、ちょっとお風呂の方で職員さんが呼んでるから行ってみてください。と声をかけると、今まで嫌がっていたのにそちらの方へ向かってくれます。その後、お風呂場を確認してみると、他の利用者と一緒に着替えていたりします(笑)
相手の話を突き離すのではなく、会話の中でうまく誘導していくことが重要だと思います。
◆〔介護の現場から〕認知症の方に対して特別な関わり方はしなくていい
特別養護老人ホームみどりの風 鈴木広友輝(ひろゆき)さん
ほとんどの認知症の方は短期記憶が乏しくなり、最近起きたことを忘れてしまいます。食べ物の認識があいまいになり、食べられないものを口にしようとする方もいます。そんな時に、責めるような言い方をすると、不安が強くなりストレスを感じて、認知症が進行してしまう場合があります。受け入れながら話し、自尊心を傷付けないように配慮しています。
認知症の方もそうでない方も大きな差はありません。特別に配慮しすぎるような関わり方をせず、人生の先輩として尊重し、その人の世界観を崩さないように心がけています。
▽Interview 御年102才!最年長利用者が話してくれました
森田實(みのる)さん(新福寺)
施設の職員が優しく挨拶をしてくれたり、話をしてくれるので楽しいです。ついつい昔話をしてしまいますが、興味深そうに聞いてくれるのでうれしいです。
◆〔介護予防サポーター〕夫の父を介護した体験を聞きました まさか!あんなにしっかり者のお義父さんが…
岡田幸子さん(舞木16区)
ある日、いつものように自転車でグラウンドゴルフに行った義父が、なかなか帰ってこないことがありました。道に迷って、自分の家がどこだか分からなくなってしまった様です。たまたま通りがかった方が自転車に貼られた情報を見て、車で家まで届けてくれました。地域のグラウンドゴルフのリーダー的存在で審判の資格を取ったり、毎日、日記をつけるような、しっかりとした人でした。
徐々にそんなことが増えてきました。義母が亡くなってからは日中話す相手がおらず、症状に拍車がかかったようです。年を取ると認知症になるというのはテレビなどで見ていましたが「あんなにしっかりした人がまさかという気持ちでした。
それからは出かける時に手を繋いだり、失敗を繰り返しても、怒ったり、否定はしないで「それでいいんだよ。大丈夫だよ」と声をかけ続けました。周りの人には「大変だね」と言われましたが、自分の家族を助けることは当たり前だと思っていました。
朝晩で犬の散歩をしていると、1人で歩き回る高齢の方を見かけます。そんな時はお義父さんを思い出して「おはよう」「今日は寒いね」と声をかけています。知らない方でも声をかけたり、手伝ったりすることが大切だと思います。
◆取材を終えて
年齢を重ねれば人の名前をすぐに思い出しづらくなったり、新しいことを覚えるのが困難になるのは当たり前。しかし、認知症は単なる物忘れとは違い、食事を取ったこと自体を忘れてしまったり、忘れてしまったこと自体を忘れてしまうなどの症状があります。
若い方でも生活習慣病等の影響により「若年性認知症」を発症することもあります。認知症は発症しても早期に治療を開始することで症状の進行を遅らせることができます。誰もがなりうる認知症を、自分や家族がもしなったらと考えてみたら他人事とは思えません。
そして認知症の方やその家族が安心して暮らしやすい環境を作るため、多くの方に認知症のことや支援制度について知っていただき、地域で支え合う地域作りが大切だと思います。
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