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熱中人 135

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群馬県千代田町

■リュート奏者
◇多くの方にリュートの魅力を発信していきたい。
田幡賢一さん(赤岩2区・69歳)
リュートの音色に惹かれ40年ほど演奏している田幡賢一さん。リュートとはルネサンスやバロックと言われる16~17世紀に最も主要な楽器として有名。11本の弦があるものもあり、演奏やチューニングが難しいことでも知られます。鍵盤楽器やオーケストラの楽器が発達してきたころには廃れてしまった古楽器です。田幡さんはその形と音色が楽器の中で一番美しいと思っているそうです。
楽器を始めたのは千代田中学校1年生の時。入学した年にブラスバンド部ができ、ユーフォニアムを担当しました。当時、音楽室の子部屋にクラシックギターがあり、その時初めて弾いたのが弦楽器に触れたきっかけ。音楽担当の先生に手ほどきを受け練習していたそうです。高校生になりギターを買ってもらい、その後はNHK教育テレビのギター教室を見ながら独学で技術を磨きました。
ギター曲の中には、リュート曲からの編曲ものが多いことに気づき、自然と心惹かれるものがありました。リュートに興味が湧いてきましたが、楽器も珍しく高価なので入手が困難。27歳頃、やっとの思いでリュート楽器製作家から直接購入しました。当時月給15万円ほどでしたが40万円のリュートを購入したそうです。その後3年間ほど都内までリュート教室に通いました。また、都内にリュート同好会があり20年ほど会員を続けていました。
30代半ばには太田市にあるホールでアマチュア演奏を行っていました。その頃、奥様が古楽器仲間のヴィオラ・ダ・ガンバを演奏し始めました。色々なサイズがありますが、楽器が高価なため木工作が得意だったことから自分で作り始めました。この時、楽器製作の面白さを発見。その後30年ほど古楽器に魅せられ、途中海外勤務などもありましたが、演奏の機会があればリュートの演奏活動を続けていました。
哲学者である森有正氏の本に「趣味は世の中に発表して評価してもらわなければだめだ」と記されていたそう。田幡さんはこれを教訓に「多くの人にリュートの美しい音色を聞いてもらえるように町のロビーコンサートなどで演奏しています。雰囲気を楽しんでいただけたら嬉しいです」と笑顔で話しました。

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