◆動物園の中の水族館
水族館担当 澤田 和慶(さわだ かずよし)主任技術員
イルカのショーに巨大な水槽を泳ぐジンベイザメ。水族館と言うと、思い浮かぶのはそういったイメージでしょうか。桐生が岡動物園にイルカやジンベイザメはいませんが、海水魚から両生類、爬(は)虫類までさまざまな水生生物を観察できる小さな水族館があります。
開館したのは昭和43年、建物は今でも当時の面影を残しています。過去の記録を見ると、海のない群馬県で海の生き物の飼育に当時から挑戦していたことがうかがえます。
水族館の入り口のフロアでは、カクレクマノミやチンアナゴたちが出迎えてくれます。また、過去に飼育していたウミガメやカワウソなども、貴重な剥製として見ることができます。
次のフロアに進むと淡水魚や両生類、爬虫類の世界が広がります。中でもワニ(メガネカイマン)の“ピーチ”は動かないことで有名で「剥製なの?」と聞かれることもありますが、元気に生きています!待ち伏せ型のハンターであるワニは、ほとんど動かないのです。喉を見ると呼吸している姿を観察できますよ。
また、身近な生き物も展示しています。都心では生息数を大きく減らしている魚類や両生類も、桐生市には身近に生息しています。これらの生物を保護・保全し、伝えていく水族館にしたいと思っています。
さらにワニガメと日本固有種のイシガメを展示し、外来種の問題も実際の生き物を見て感じてもらえるようにしています。動物園の中にある小さな水族館にできることを、今後も進めていきたいと考えています。
問い合わせ:未来へはばたけ山田製作所桐生が岡動物園
【電話】22-4442
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