■筑波山塊の花崗岩と窯業
○筑波山塊の山々と「花崗岩」
かすみがうら市の西部には、筑波山塊の山々が連なっており、その一部は、花崗岩(かこうがん)という岩石でできています。花崗岩は、白っぽい「長石」、透明で灰色に見える「石英」、黒い「雲母」などの鉱物からなる岩石です。ブランド石として有名な「稲田石」や「真壁石」も分類上は同じ「花崗岩」です。花崗岩は、美しく丈夫であることから、古くから建築資材として用いられており、古墳の石室に始まり、古代寺院の礎石、中世以降の石造物などにも使用され、近代には爆発的に需要を伸ばします。筑波山塊の花崗岩を使った著名な建造物は多く、最高裁判所、皇居、国会議事堂、東京駅、日本銀行本店など、枚挙に暇がないほどです。
○花崗岩と粘土・古代の窯業
花崗岩は、長い時間をかけ風化を受けると「マサ」という砂になります。そして水と化学反応を起こすことで、やがて粘土になっていきます。この粘土を使って、古くから焼き物が作られてきました。千代田地区では、古代の窯業遺跡が複数見つかっており、五反田の一丁田(いっちょうだ)窯跡では須恵器(すえき)と呼ばれる器や、石岡市貝地に所在した古代寺院「茨城廃寺(ばらきはいじ)」の屋根瓦を焼いていました。また、上佐谷の関戸(せきど)瓦窯跡では下佐谷の古代寺院「下佐谷廃寺(しもさやはいじ)」の屋根瓦を、中志筑の松山(まつやま)瓦窯跡では常陸国分寺(ひたちこくぶんじ)の屋根瓦を焼いていたことがわかっています。市歴史博物館では、今回ご紹介した瓦などを展示していますので、ぜひご来館ください。
・次回は、千代田地区の粘土を使った新しい焼き物をご紹介します。
問合せ:歴史博物館
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