◆12月3日から9日は「障害者週間」です
「障害者週間」は、平成16年6月に障害者福祉について関心を深めることや、障がい者が社会や経済に積極的に参加する意欲を高めることを目的に設定されました。
この機会に、障がい者を理解し、共生していく社会について考えるきっかけにしてみませんか?
◇「合理的配慮」を知っていますか?
平成28年から施行された「障害者差別解消法」は、障がい者に対して、「合理的配慮」を行い、障がいのある人もない人も、互いに、その人らしさを認め合いながら、共に生きる社会(共生社会)を実現することを目的に制定されました。「合理的配慮」とは、障がいのある人が障がいに合わせた対応を必要としたときに負担にならない範囲で対応することをいいます。対応が難しいときでも、その理由を説明し、別の方法を提案するように努めることが求められています。
◇来年4月から事業者も「合理的配慮」が義務になります
これまで、「合理的配慮」は、市役所や学校などの行政機関では義務化、企業、団体、店舗をはじめとする事業者では努力義務とされていました。令和6年4月には、事業者でも義務化され、障がい者が対応を必要としたときに、可能な範囲で対応することが求められます。
具体的な例としては、「意思を伝え合うために絵や写真のカードやタブレット端末などを使う」「段差がある場合に、スロープなどを使って補助する」「障がい者から『自筆が難しいので代筆してほしい』と伝えられたとき、代筆に問題がない書類の場合は、障がい者の意思を十分に確認しながら代筆する」などが挙げられます。
「合理的配慮」の義務化を通して、今までの対応を振り返ることで、障がいのある人とない人が、お互いに理解し合っていくことが「共生社会」の実現の大きな一歩になります。
◇障がいは一目でわかるものばかりではない
「障がい」と聞いて、皆さんはどのような状況を思い浮かべるでしょうか?車椅子に乗っている、赤と白の杖をついているなどイメージは様々あるかと思います。しかし、実際には、一目見て分からなくても、サポートを必要としている方がいます。例えば、心臓や腎臓などの内臓の機能が弱まることで疲れやすくなる「内部障がい」の方や、義足・人工関節を使用している方などです。見た目には分かりづらい障がいも存在していることを知っておくことで、障がい者への適切な配慮に繋がります。
近年では、周囲に配慮を必要としていることが分かる「ヘルプマーク」を身に着けた方を見かける機会も増えました。見かけた場合は、電車・バス内で席をゆずる、困っているようであれば声をかけるなど、思いやりのある行動をお願いします。
近年、まちで見かけることが増えた白のハートマークと十字が描かれた赤いタグ「ヘルプマーク」や市で配布している財布などに入れられるサイズの「ヘルプカード」は、見た目には分からなくても、障がいを持つ方が周囲に理解してもらえるような取り組みの一つです。
◆障がいに寄り添う人々
◇「声の広報紙」を求める人に届けたい
声の広報紙ボランティア団体「音訳せせらぎ」
・10人のメンバーが届ける「声の広報紙」
視覚障がい者のために広報常陸大宮やお知らせ版などの音読を行う「音訳せせらぎ」は昭和60年から続く歴史のあるボランティア団体です。現在は、10人で活動を行っており、毎月10日、25日の広報紙の発行後、3日以内に声の広報紙を作成し、サービスを利用している視覚障がい者の方々へ届けています。
・利用者の慣れ親しんだ環境を大切にする
声の広報紙は、カセットテープに録音し、視覚障がい者の方々へ届けています。今なお、カセットテープを使い続ける理由は、利用者への配慮による背景があります。CDなど別な方法で届けることも考えましたが、昔から声の広報紙を利用している方々の聞く環境や年齢層などを考え、慣れ親しんでいるカセットテープで届けていくことが、一番利用者が安心して使えると思い、活動開始当初から変わらぬ方法で録音作業を続けています。
また、他にも、利用者の目線に立った細かな配慮を行っています。例えば、ページをめくる際の音です。ページめくりの音が入らないよう、めくる際は、一度録音を止めて、ページをめくった後、録音を再開します。長年のボランティアメンバーの経験と利用者の声を代々引き継ぎ、利用者に配慮した声の広報紙を届けています。
・多くの人に存在を知って利用してほしい
「音訳せせらぎ」代表の木村さんは「視覚障がいの方にも情報を届けたいので、どんどん声の広報紙を利用してほしい。まずは、多くの人に声の広報紙の存在を知ってもらえたら」と話しました。先輩方や今までの利用者からの想いを引き継ぎ、情報を届けるために活動していきます。
「声の広報紙」をご希望の方、取り組みについて詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。
問い合わせ:常陸大宮市社会福祉協議会
【電話️】53-1125
<この記事についてアンケートにご協力ください。>