文字サイズ
自治体の皆さまへ

ふるさと歴史だより

8/13

茨城県常陸大宮市

◆弥生人と土器と植物
今から二千数百年前の弥生時代、この地域にも人々が暮らしていました。大昔のことだからと、あまり身近には感じられないかもしれませんが、同じ土地に住んでいたご先祖様達のことです。周辺環境はそこまで大きく違いません(多分…)。というのも、彼らが作った土器には、今も身の回りに見られるような身近な植物の痕跡が残されているのです。
そこで今回は、国史跡の泉坂下遺跡で発掘された弥生土器に見られる植物をご紹介します。

◇オオバコ
下の写真の土器は、一見すると普通の縄文の文様が付けられているように見えますが、実はオオバコの穂でつけられたと言われています。
オオバコは、踏みつけに強いため、人や車が通る、他の植物が長く伸びていない場所にまとまって生えています。薬草にもなりますが、根が長く、引っこ抜くのに苦労する雑草でもあります。
※写真は本紙をご覧ください。

◇カナムグラ
もうひとつ良く利用されるのが、カナムグラです。小さなトゲがついたツタで、やぶに沢山生えているので、足や腕がチクチクして痛くなった経験がある人も多いのではないでしょうか。
わざわざトゲのついたツタを選んでいることから、縄文のつぶつぶを表現したいという意図を感じます。こうした植物で付けられた文様は、弥生時代の中頃によく見られるもので、「偽縄文(ぎじょうもん)」と呼ばれています。
きっと弥生時代の人は、身近にあった植物を使い、縄文に似た文様をつけたのでしょう。そしてその植物は、今も私たちの身近にあります。

問い合わせ:歴史民俗資料館
【電話】52-1450

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU