◆常陸大宮市の取り組み(2)
タブレットなどの一人一台端末を有効活用した授業
令和2年度に日本全国で始まった、子どもたちがタブレットなどを活用して学習できる環境を整える「GIGAスクール構想」に合わせ、常陸大宮市では令和3年度から、各学校へのタブレット端末の導入を本格的にスタートしました。導入4年目を迎え、各学校では、情報機器を有効活用した教育が定着してきています。
◇タブレットからの書き込みで瞬時に考えを共有
授業で意見を共有するときの手法として、これまでは、模造紙などに個人の意見を書いた付せんを貼り付けて一覧化する、手を挙げて口頭で発表するなどの方法が採られてきました。情報機器を導入してからは、下の図のようにホワイトボードアプリを使った意見交換ができるようになりました。ホワイトボードアプリを活用することのメリットとしては、子どもたちがタブレットで入力した内容が電子黒板に瞬時に反映されるため意見が一覧化しやすい、手を挙げての発表よりも意見を出すハードルが低くなるなどがあります。ホワイトボードアプリは、5教科の授業だけでなく、総合や道徳、クラスで決め事を行うときなど、幅広い場面で使われています。
◇動画や動かせる画像で想像が必要な内容も理解しやすく
情報機器の導入により、先生と子どもたちが動かせる図形などの画像や、解説動画を共有できるようになりました。これにより、算数・数学の空間問題で実際に図形を動かしてみたり、理科の天体の授業では星を動かしてみたりと、空間や動きを捉えやすくなり、これまでより内容の理解を深めることができるなりました。また、自宅でも小学校1年生から中学校3年生までの学習内容の講義動画を見ることができ、前に学んだ内容の振り返りから先の学年の予習まで、理解度や自分のペースに合わせて学ぶことができます。
児童・生徒が個人のタブレット端末で自分の考えを書き込み
↓インターネット回線
電子黒板にそれぞれの書き込みが一つのシートにまとまって瞬時に共有される
◆授業ではこんな風に情報機器が活用されています!
・国語
小学校1年生の国語の「じどう車ずかんをつくろう」という単元で先生が作った共有シートから興味のある車を選んで自動車の説明文を作る様子。
・算数・数学
問題に対する答えだけでなく、その答えに至った理由も書くように作られた問題シート。解答はホワイトボードアプリで共有するため、他の人の考えを学ぶことができます。
・道徳
主人公の心の葛藤を子どもたちが自分事として捉え、ホワイトボードアプリを使って考えを出し合う様子。
・家庭科
裁縫の授業で、タブレットで手順の動画を見ながら、作業を進める様子。動画を交えることでわからないところを何度も見返したり、得意な子どもが自主的に先に進むことができます。
※詳細は本紙をご覧ください。
◆令和6年度の新たな取組!授業中の子どもたちと先生の様子をデータ化
令和6年度の新たな取組として、授業診断ツールを使い、子どもたちの発話数や挙手数、視線の低下などが授業中にどのように移り変わっているかや、先生が子どもたちの席を回って指導する時の動きのデータ化を始めます。今年度は、大宮中学校をモデル校として、10回の授業で実施予定です。集めたデータは、指導内容の改善や、若手の先生方への指導技術の引き継ぎに活用し、子どもたちがこれまで以上に授業を理解できるよう、指導者の技術向上を図ります。
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