特集/色、いろいろ。―性の多様性を知っていますか―(1)

2／18

みなさんは「LGBT」という言葉を見たこと・聞いたことはありますか?言葉を知る人は多くても、多様な性のあり方について、理解が進んでいるとは言えず、偏見などから生きづらさを感じている人がいるのが現状です。
市では、性別にかかわらず誰もが個性と能力を十分に発揮できる社会を目指しています。この特集をとおして、性の多様性について考えてみませんか。

■人権課題としての「性的マイノリティ」
現在日本では、17の主な人権課題が取り上げられています。人権とは、すべての人が人として社会の中で自由に考え、自由に行動し、幸福に暮らせる権利です。誰にとっても身近で大切なもので、違いを認め合う心によって守られるものです。この中に「性的マイノリティ(性的少数者)」に関する課題も含まれています。

□17の主な人権課題
(1)女性
(2)こども
(3)高齢者
(4)障害のある人
(5)部落差別(同和問題)
(6)アイヌの人々
(7)外国人
(8)感染症
(9)ハンセン病患者・元患者やその家族
(10)刑を終えて出所した人やその家族
(11)犯罪被害者やその家族
(12)インターネット上の人権侵害
(13)北朝鮮当局によって拉致された被害者等
(14)ホームレス
(15)性的マイノリティ
(16)人身取引(性的サービスや労働の強要等)
(17)震災等の災害に起因する人権問題
※出典…法務省人権擁護局：啓発冊子「人権の擁護」(令和5年9月発行)。

■性のあり方はグラデーション
性別は生まれた時の身体的な特徴などにより判断されますが、自分で認める性や表現の仕方は多様であり、「男性」「女性」の2つだけではありません。誰にでも性のあり方の要素は、「身体の性「」性自認」「好きになる性「」表現する性」の4つがあるといわれ、それぞれが組み合わさってできています。
下の図の、それぞれの要素で自分が当てはまると思った場所に丸を付けてみてください。この位置は100人いれば、100通りあります。一人一人、性格や顔が違うように、性のあり方も人それぞれで、グラデーションのように境目がありません。

■日常の中の何気ない言葉でも、知らぬ間に誰かを傷つけているかもしれません。
□結婚しないの?彼女いないの?(彼氏)
恋愛対象は、異性だけとは限りません。男性の恋人は「彼女」、女性の恋人は「彼氏」と想定されがちですが、「パートナー」や「恋人」など、性別を限定しない表現にしてみましょう。また、結婚や子育てを前提として話すことは、差別や偏見につながる可能性もあります。

□女らしくしなさい(男らしく)
性のあり方は、人それぞれです。「男なら男らしく、女なら女らしく」といった性別を理由とした言動でも、誰かを傷つけているかもしれません。

□あの子ホモらしいよ
友人との会話や周囲の会話で、「ホモ」「レズ」「おかま「」おなべ」「オネエ」などの言葉を聞いたことはありませんか?これらは、差別的な用語で、近くで聞いていた当事者を傷つけてしまうかもしれません。

■LGBTって?
LGBTとは、次の言葉の頭文字をとった言葉で、性的マイノリティ(性的少数者)を表す総称の一つとして使われています。

□Lesbianレズビアン
女性を好きになる女性

□Gayゲイ
男性を好きになる男性

□Bisexualバイセクシュアル
女性も男性も両方好きになる人

□Transgenderトランスジェンダー
生まれたときの性と自分が思っている性が一致しない人

■身近に「いない」のではなく、「気づいていない」可能性も
あなたのまわりに、性的マイノリティ当事者の友人・知り合いはいますか?この質問に多くの方が、「いない」と答えるかもしれません。
LGBTを含む性的マイノリティ当事者は、日本の人口の「9.7%」という調査結果があります※。約10人に一人は性的マイノリティ当事者です。
性的マイノリティ当事者が「身近にはいない「」これまで出会ったことがない」のではなく、気づいていないだけ、打ち明けられていないだけかもしれません。
性的マイノリティ当事者の中には、差別や偏見を恐れて当事者であることを悟られないようにしている人も多くいます。
※株式会社電通グループによる「LGBTQ+調査2023」。

□columnコラム/多様性を象徴するレインボー
さまざまな色が存在することで成り立つ、虹―。
性のあり方は多様で、グラデーションのよう―。
性的マイノリティの尊厳と社会運動のシンボルとして、1970年代から世界中で使用されている虹色の旗「レインボーフラッグ」は、赤・橙・黄・緑・青・紫の6色で構成され、性の多様性を表現しています。