「自分や家族は、まだまだ元気だから大丈夫…」
そう思っていても、介護が必要になるタイミングは突然やってきます。そんなときに頼りになるのが「介護サービス」。
今回の特集では、利用者やその家族と介護サービス事業所の橋渡し役であるケアマネジャー(介護支援専門員)と、市で利用できる介護サービスなどについて紹介します。
■介護を必要とする方は今後増加する見込みです
本市の高齢者人口は、左のグラフ1のとおり増加し続けており、2040年(令和22年)には、約8万5000人になると見込まれています。
また、本市の第1号被保険者(65歳以上の者)、第2号被保険者(40歳から64歳までの医療保険加入者)における要支援・要介護認定者数は、左のグラフ2のとおり、平成30年から令和4年まではほぼ横ばいで推移していますが、今後増加し、2040年には、約2万人になると見込まれています。
グラフ1 水戸市の高齢者人口の推移
出典:茨城県常住人口調査(各年10月1日現在)
厚生労働省地域包括ケア「見える化システム」
グラフ2 水戸市の要介護等認定者数の推移
出典:市介護保険事業状況報告(各年9月末日現在)
厚生労働省地域包括ケア「見える化システム」
■介護サービスを利用するまでの流れ
「介護が必要かな?」と思ったら、まず、かかりつけの病院や介護保険課または各高齢者支援センターに相談してください。ご家族からの相談もお受けしています。
相談後、介護サービスの利用を希望する場合は、介護保険課または各出張所に「要介護認定」の申請をします。
申請を受けて、市職員などが、申請者の自宅などを訪問し、心身の状態などを調査します。調査結果や、主治医による意見書などを審査し、要介護状態の程度が認定されます。
その後、ご本人の状態に応じた「ケアプラン」をケアマネジャーと一緒に作成し、介護サービスの利用が開始されます。
相談
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要介護認定の申請
↓
調査・審査
↓
要介護認定
↓
ケアプランの作成
↓
介護サービスの利用
■ひとりひとりに適した介護サービスを提案しています
ケアレジデンス百合ヶ丘居宅介護支援事業所
ケアマネジャー(介護支援専門員) 伊藤正さん
ケアマネジャーとは、生活支援が必要な方が必要な介護サービスなどを受けられるように、ケアプランの作成や事業者との調整を行う、公的資格を持った介護保険のスペシャリストです。
伊藤さんは、福祉施設で介護福祉士として5年間勤めた後、2000年からケアマネジャーをしています。
私たちは、生活に困りごとがある方に対して、生活を整えていくためのさまざまなお手伝いをしています。
まず、介護サービスを利用したい方やその家族から、これまでの生活状況などを聞き取り、これからどのように暮らしていきたいかを一緒に考えます。そして、ひとりひとりに適した介護サービスを提案しながら、ケアプランを作成します。また、月に1度、利用者の元を訪れ、健康状態や生活で変化したことなどを確認し、必要であればケアプランを変更します。
ケアプランに基づいた介護サービスを提供することで、利用者ができる範囲が広がり、気持ちが前向きになっていく様子を多く見てきました。このような場に立会うと「利用者の暮らしをより良くすることができた」と実感します。とてもやりがいのある素晴らしい仕事なので、一緒に頑張っていける仲間がもっと増えたらいいと思っています。
また、利用者に、より良い暮らしを提供できるよう、ケアマネジャーを集めて、暮らしに関する幅広い分野の勉強会も定期的に行っています。
介護のことでちょっとでも困ったことがあったら、つらいと感じる前に、かかりつけの病院や各高齢者支援センターなどに気軽に相談してください。その方の状態に応じて、ケアマネジャーが、必要な介護サービスなどを紹介します。
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