「おくち、あーんして」
5歳の誕生日を迎えて、一人前になってきた息子が突然言い出してきた。さては、保育園で何かしてきたな。
「はい、あーん」
洗いものの手を止めて、少しだけしゃがんで、口を大きく見せてあげる。
「あー、むしばだー。はみがきしないとだめなんだよー」
楽しそうに、のぞき込みながら言ってくる。
そういえば、今日は歯磨きの練習があるって言ってたっけ。
「えー、むし歯あるかなー」
「こことー、こことー、4こもあるよー」
真剣な顔をして、適当なことを言ってくれる。
「そっか、歯磨きしないとね」
適当に相づちを打ちながら、袖をまくり上げ、スポンジに洗剤をしみ込ませる。
大人は忙しいのだ。
「ティラノはむしばあるかなー」
今度は恐竜のぬいぐるみを相手にし始めた息子を横目にふと思う、そういえば、最後に歯医者さんに行ったのはいつだっけ。
定期健診のハガキが届いたけれど、つい、放っておいてしまった。
歯医者、行ってみようかな。
歯医者さんに行った方がいい。分かってはいても、なかなか行けない……。
そんな人、多いのではないでしょうか。
6月4日は66(む)と44(し)の語呂合わせで、『むし歯予防の日』と言われています。
また、6月4日~10日の1週間は『歯と口の健康週間』です。
日本人の平均寿命は、男性は81歳、女性は87歳と、世界でもトップクラスの水準。
長く健康で、生活に欠かせない「食べる」「話す」「笑う」を維持するには、歯と口の健康管理がますます重要になります。
ライフステージが進むにつれて、生活習慣も変化しますが、自身の健康への意識を保ち続ける必要があります。
自らの歯と口の健康管理には、「予防」と「早期発見」が大切です。
日頃のセルフケアはもちろん、少なくとも年1回は、口の中の状態を歯科医院で診てもらいましょう。
今月の特集では「歯」と「口」の健康について紹介します。
■高萩市の歯と口の状況(参考:健康たかはぎ21(第3次)市民アンケート)
青壮年期から高齢期にかけて歯周病が急増本当はもっと?
隠れ歯周病に注意!
■むし歯がある人の割合 約10 人に2 人
■過去1年間に歯科健診を受けた人の割合
特に青壮年期で半分以下
※小数点以下端数処理のため合計が100%にならないことがあります。
■本市の歯と口の状況は
現在むし歯がない人の割合(治療済を含む)は、世代を問わず半数を超えています。
しかし、むし歯を治療していない人も一定数見受けられます。
また、歯周病は、青壮年期から高齢期にかけて増加する傾向があります。
さらに、歯周病は症状が進むまで気づきにくいため、実際は、より多くの人が歯周病にかかっている可能性があります。
定期的な歯科健診の受診率は、学童期・思春期が高い一方、青壮年期では低くなっています。
幼少期から歯と口のケアに関心を持つことが、健康な歯を残すことにつながります。
全身の健康のために、80歳で自分の歯を20本残す、「8020」を目指しましょう。
問合せ:健康づくり課
【電話】24-2121
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