春先には可憐な梅の花が咲き誇る梅坂エリアに
ヒノキの香りが心地よい憩いの空間ができました
■今月のつたえるひと
松本隆之(まつもとたかゆき)さん
壱岐市出身。熊本大学大学院で建築を学び、長崎市内の建築事務所に6年勤務した後、31歳の時にUターン。建築設計事務所(有)睦(むつみ)設計コンサルタントの一級建築士として働く一方、地元梅坂エリアの活性化にも力を入れている。
■日本初の無垢製材あらわし木造4階建てビルをまちおこしの拠点に
18年前、「子育てもしやすく、豊かな人生を送るなら故郷の壱岐が一番」と考えUターン。現在は一級建築士として島内外のさまざまな建築物の設計に携わっています。建築家としてのテーマは、環境負荷の小さい建物を造ること。同時に、温暖化に伴う環境の悪化で、脱炭素貢献や気候変動対策が必要とされる中、木造で造れるものはできるだけ木造で造ろうと提案しています。その思いをカタチにしたのが、昨年自ら設計デザインした「睦モクヨンビル」です。日本初の無垢製材あらわし仕上げ(柱やはりがむき出しの状態のまま仕上げること)の4階建てビルで、竣工以来、SDGsに貢献するモデルケースとして全国から建築業や農林業の関係者の方が視察に訪れています。1階はカフェ、2階は宿泊施設、3階はコワーキングスペース、4階はレンタル個室で、1階から見上げる4層吹き抜けの空間はここでしか見られない光景です。
睦モクヨンビルを建てたもう一つの目的は、私が生まれ育った梅坂エリア(郷ノ浦町片原触(かたばるふれ)の一部)の活性化です。春は梅の花が咲き誇り、岳ノ辻を望む湯川温泉や壱岐グルメの店舗などがある注目エリアで、数年前から「梅坂ふろしき」としてエリアブランド化を進めていて、睦モクヨンビルはその拠点施設として活用したいと思っています。ブランド名には、訪れた人たちを風呂敷のように温かく包みたいという思いを込めています。
自然豊かなビル周辺では子ども向けのワークショップ「コドモエキスポ壱岐」などを開催していて、今後はアスレチックやモルックなどのスポーツを楽しむ施設を造る予定です。これからも梅坂エリアを盛り上げる企画を考え、地方創生モデルの新しいスタイルを確立して自然と人との交流が溢れる場所をつくりたいと思っています。
▽鬼の足跡
牧崎公園内にある周囲110mの大穴。長い年月をかけて自然が創り出したもので、日本百名洞に選ばれています。地元では“大鬼のデイが鯨をすくい捕るために踏ん張ってできた足跡”と伝わっています。
▽壱岐市観光連盟 郷ノ浦港観光案内所
郷ノ浦港にあるガラスと木の組み合わせが目を引く建物。観光案内のほか自転車貸出、手荷物預かり、グッズ販売、コワーキングスペースなどもあります。
▽猿岩
黒崎半島の先端にある、自然によって造られた高さ45mのサルそっくりの奇岩。神話では壱岐島が流れてしまわないよう神様が建てた「八本柱」の一つといわれています。岩越に見える美しい夕陽も人気です。
▽ツインズビーチ
島の西海岸に位置する塩樽(しおたる)海水浴場と小水浜(こみずはま)海水浴場は遊歩道で結ばれているため自由に行き来ができ、2つのビーチを満喫できることからツインズビーチと呼ばれ、夏は海水浴客でにぎわいます。
▽春一番の塔
春先に吹く強い南風を指す「春一番」という言葉は壱岐が発祥の地です。1859年、この強い風を受けて大勢の地元漁師が遭難。自然の怖さを忘れないようにとの思いから、1987年、郷ノ浦港入口の元居公園に船の形をした塔が建てられました。
■梅坂ふろしきカップ モルック選手権
モルックとは、フィンランドの伝統的なゲームを元にしたスポーツです。梅坂ふろしきを拠点とする地域総合型スポーツクラブ「カメリアSC」主催で、子どもからお年寄りまで誰でも参加できます。
日時:7月28日(日)
場所:大谷公園(郷ノ浦町田中触)
※3人1組の団体のほか、個人参加もできます
問合せ:睦モクヨンビル
【電話】0920-47-1819
■出場者募集! 神々の島 壱岐ウルトラマラソン2024
壱岐の島を一周するウルトラマラソン。抜群のロケーションと激しいアップダウン、そして島民の温かいおもてなしが魅力です。
日時:10月19日(土) ※前夜祭あり
コース:壱岐島内、100kmと50kmの2部門
申込:7月19日(金)まで(先着順・有料)
詳しくはこちら→ ※二次元コードは本紙をご覧ください。
問合せ:壱岐市観光課
【電話】0920-48-1130
■壱岐市のお土産
▽壱岐の郷土菓子 のべだご
昔から壱岐で食べられていた、ほどよい甘さのあんことやわらかい手延べの団子を合わせたおやつ。素朴でどこか懐かしい味です。
問合せ:合同会社メイリ・カンパニー
【電話】0920-40-0216
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