■五島市に暮らすいろんな人のオススメ本を紹介するコーナー
私が選ぶとっておきの一冊ーRecommended Bookー
▼4冊目
コピーライター/バンドマン 後川美由紀(そのかわみゆき)さん
大阪府堺市出身。岐宿町在住で、大阪の化粧品会社にリモートで勤務し、キャンペーンや会報誌などの文章を書くコピーライターとして働いているそうです。
大阪で寿司職人をした経験もある夫の圭三さんは五島市出身で、3年前に夫婦で移住。夫婦ともに音楽が大好きで、16年前に結成したバンド「The BeeChiQ(ザ ビーチック)」は現在も大阪のメンバーと活動を続けています。そんな二人が「五島に音楽と食を楽しめる場を」と、令和4年10月、岐宿町にライブバー「Peep-Bo Club West(ピープボークラブ・ウェスト)」をオープン。さらに、昨年7月には「岐宿を音楽で盛り上げたい」との想いから、魚津ヶ崎ミュージックフェスティバルを開催しました。五島の参加者からは「演奏を披露する場ができて嬉しい」と好評だったそうです。
子どもの頃から本も大好きで、「たぶん活字中毒ですね」と笑う後川さん。おすすめの本を紹介し、参加者が読みたくなった本に投票する市立図書館のイベント「ビブリオサークル」の第2回目では、MVP賞を受賞しました。
○後川さんのとっておき
海外経験豊富な数学者が説く「国語教育絶対論」。国語教育の重要性はもちろん、単なる伝達手段ではない、言語というものの本質も考えさせてくれる良書です。後半には、母・藤原ていさんとの「満州再訪記」も。
○祖国とは国語
藤原正彦/著(新潮文庫)
その国の文化や伝統を内包する国語は、論理的思考や情緒を育み、知的活動や教養の支えとなる“読書する力”を生むもの。小学校教育において最も大切なのは国語、中でも「読み」と「書き」であると主張する著者は、英語教育の強化拡大は他の教科の圧迫を意味し、知的衰退を確実に助長させると断言。基本的に英語は、必要に迫られている人などが猛勉して身に着ければ良いものだと述べています。
まさに英語を猛勉しアメリカ文学を学んだ大学時代、「外国語をあるレベル以上まで習得するために必要なのは、何よりもまず国語の力だ」と常々感じていた私にとっては、深く頷くことばかり。言葉を扱う仕事をする中で国語の大切さをさらに痛感し、折に触れて読み返す一冊です。
こちらの本は市立図書館で借りられます。
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