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市長コラム 結集のススメ

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長崎県五島市

■特定利用空港
「長崎、福江空港 有事拠点へ」などの見出しで、政府が長崎空港と福江空港を「特定利用空港」に指定する方針であることが報道されました。市民の中には不安をお持ちの方もおられると思います。五島市の考えと対応を説明させていただきます。

「特定利用空港・港湾」とは、「安全保障環境を踏まえた対応を実効的に行うため…(略)…自衛隊・海上保安庁が平時から円滑に利用できるよう、施設管理者(福江空港の場合は長崎県)との間で『円滑な利用に関する枠組み』が設けられた空港・港湾」とされています。
この「特定利用空港」について、3月7日、国から説明を受けました。
主な内容としては、
・平素における空港の利用を対象としたもので、武力攻撃事態のような有事の利用を対象とするものではない
・米軍がこの枠組みに参加することはない
・空港の利用としては、自衛隊の輸送機による国民保護のための訓練、戦闘機や輸送機による離着陸訓練などを想定している
・施設整備は、民生利用を主としつつも、自衛隊・海上保安庁の航空機の利用にも資するよう、必要な整備又は既存事業の促進を図るもので、専用の施設を整備するものではない
・決して攻撃の対象となる軍事拠点になるものではない
などが示されました。

1月に起きた能登半島地震では道路や港が大きな被害を受け、交通が遮断され、被災地が孤立し、住民の避難にかなりの時間がかかりました。
五島市は台風の常襲地です。風、雨とも年々強くなっています。
大きな災害が発生した時、市民の救助、避難、物資の輸送は、国・地方を含め政府の責務です。離島である五島市の場合、民間の船舶・飛行機での対応のほか、非常時には、自衛隊や海上保安庁に要請することもあります。(平成30年には、自衛隊のヘリコプターで停電復旧のため人員を輸送してもらったこともあります。)
福江空港は霧がかかりやすく気象などの影響を受けることから、離着陸のためには、訓練によりその特性を習熟しておいたほうが安心です。

五島市は、観光客を全国から呼び込むため、福江空港に給油施設の整備を要望していますが、実現していません。また、就航率を上げるため、整備済のローカライザーに加え、滑走路への進入角度を誘導するグライドスロープの整備を求めたいと思っています。
福江空港が「特定利用空港」に指定されることにより、災害時の円滑な対応や空港の機能強化にもつながることから、五島市としては、市議会全員協議会への説明を経て、国の取り組みを前向きに検討している長崎県に対し「県の意向を尊重する」旨を伝えました。
以上の経過で、4月1日、福江空港は「特定利用空港」に指定されました。
ご理解をいただきたいと思います。

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