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南島原の考古学

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長崎県南島原市

■甕棺(かめかん)からみえたこと~町村(まちむら)遺跡(有家町)~
町村遺跡は、ありえコレジヨホールの西側、有家川の東側に残る遺跡です。令和4年度に、自転車歩行者専用道路の整備に伴う発掘調査を行い、「甕棺墓(かめかんぼ)」と呼ばれる土器を利用したお墓を3基検出しました。うち2基は大型の成人棺墓、1基は小児棺墓でした。
小児棺墓は2個の土器を合わせる「合口(あわせぐち)甕棺」で、甕形土器と壺形土器が組み合わさっていました。
成人棺墓および小児棺墓はいずれも、亡くなった人を「屈葬(くっそう)」という膝を折り曲げた格好で埋葬したと考えられます。
甕棺に利用された土器には、北部九州で出土する土器と類似した特徴があり、有明海などを介した当時の文化的交流の影響もうかがえます。
町村遺跡の調査は、島鉄線路跡地の活用による幅約1.5mの非常に狭い調査でしたが、甕棺墓のほかに「土坑墓(どこうぼ)」という地面を素掘りした墓も多く見つかりました。このことから周囲にはさらに広い墓域や、当時の人々が暮らした集落も営まれていたと考えられます。
限られた面積の発掘でしたが、このように調査の成果から約2,000年前の暮らしの様子を復元的に考えていけることも、考古学の楽しさの一つではないでしょうか。

▽展示のご案内
町村遺跡から出土した甕棺を展示公開します。
(1)
日時:10月1日(火)~31日(木)午前8時30分~午後5時15分
場所:南島原市有家庁舎
入館料:無料
(2)
日時:11月6日(水)~12月25日(水)午前9時~午後5時
※休館日…火曜日
場所:深江埋蔵文化財・噴火災害資料館
入館料:200円

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