■地域で防災力を高める
防災は、自分たちを守るために自ら動く「自助」、国や県、市などの行政や消防団などの公的機関が対応する「公助」、そして、地域の人たちが互いに協力して乗り越える「共助」の3つの力が合わさって成り立ちます。そのどれか一つでも欠けると、地域の防災力は弱くなり、不運にも災害に遭遇することにつながってしまいます。
○防災の基本
■共助の一つ「自主防災組織」
災害発生時はもちろん、日頃から地域の皆さんが一緒になって防災活動に取り組むための組織が自主防災組織です。
平常時には防災訓練や広報活動、災害時には初期消火、救出救護、集団避難、避難所への給食・給水などの活動を行います。
自主防災組織は、災害が起きてから活動を始めるのではなく、災害が起きる前から活動することができ、災害に備える活動ができます。また、災害発生直後の公助の手が届かないときに、住民同士で協力して活動することで、より災害から身を守ることができます。
▽助かろう
普段から災害に備え、早めに避難して、まず自分が無事に助かろう!
▽助けよう
防災の知識と技術を身につけて周りの人を助けよう!
▽助け合おう
お年寄り、障がいがある方、小さな子どもなどに気を配り、みんなで助け合おう!
■自主防災組織をつくりましょう!
~活動の範囲~
地区単位または小学校区など複数の地区を合わせた範囲となります。
~組織構成~
地区の役員が、そのまま組織の役員を兼ねる方式や地区役員とは別に、活動する地区の中で新たな役員で組織する方式などがあります。
~自主防災組織の活動内容~
○平常時…防災知識の普及、防災訓練、必要な資機材などの備蓄など
○災害時…災害情報の収集・伝達、避難誘導、給食・給水活動など
【支援メニュー】
対馬市では、自主防災組織の結成を支援するため、結成や活動、防災力向上に対する補助制度を設けています。
■自主防災組織を新たに結成した際、防災資材などの購入費用を支援します。(結成年度のみ)
▽結成に関する補助
補助金額:構成世帯数×100円+3万円
例)ハンドマイク・バール・はしご・のこぎり・スコップ・ナタ・ハンマー・ロープ・照明・ブルーシートなど
■防災訓練や防災講習会などの活動に要した費用を支援します。(年1回)
▽活動に関する補助
補助金額:構成世帯数×300円(上限3万円)
例)防災訓練経費(炊き出し費用など)・活動にかかる保険料・防災士の資格受験費用
■活動に必要な高額防災資材の購入・修繕に要した費用を支援します。(年1回)※ただし10万円未満のものは除く
▽防災力向上に関する補助
補助金額:費用の2分の1以内(上限20万円)
例)小型消防ポンプの購入・防災倉庫の修繕
結成年度のみ3つ全て活用できます。詳しくは、地域安全防災室【電話】0920-53-6111
【地域防災の担い手「防災士」】
災害に備え、もしもの時に行動するためには、知識と心構えも重要です。防災士は、知識と心構えを持った、頼りになる存在です。
防災士 村岡 幸代さん
地震や大雨による災害のニュースを聞くたびに、自分の住んでいる地域でも何かやらないといけないのではという気持ちがありました。私の周りには、一人暮らしの方も大勢いて、もし同じような災害が発生した時、その人たちの安全は誰が守るのかなど不安に思っていました。そんな時、養成講座のことを知って受講することにしました。
講座を受けた後は、地域の集まりの中で防災について話したり、簡単にできる備えなどについてお知らせしたりしています。
これからは、一人暮らしの人や避難の時に支援が必要な人たちへの対応を、今から話し合って考えておくなど、地域全体で備える準備を進めていきたいと考えています。
地域防災は、現在起きている様々な災害を教訓に、自分事として考えられるかが大きなポイントになると思っています。講習を受けて資格を取って終わりではなく、新たな知識を学び続けて、もしもの時に備えていきたいです。
地震や大雨、台風などの自然現象に私たちが遭遇することで「災害」は発生します。私たちにとって大切なことは、正確な情報を手に入れて行動をおこし、その危険から逃れることです。そして、不運にも災害に遭遇してしまったときに、対処できる方法や、人々がつながり協力できる仕組みを作ることです。災害が起こりやすい季節が来る前に、今一度みんなで考えてみましょう。
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