■潮の干満差を利用した伝統漁法「スクイ」
有明海は九州最大の湾で、100以上の河川が山の栄養である豊富なミネラルを有明海へと運んでいます。有明海は南から北に向かって深く入り組んだ形をしており、海流が南から入って北から戻ってくる動きと、月の引力による潮の満ち引きの周期が合わさって増幅されることで、最大6mという日本一の干満差を作り出しています。
内海であるため有明海の波は穏やかです。しかし潮の流れが速いため、海底では泥が流されて、砂地が広がっています。そのため砂地を好むガンバ(トラフグ)が多く生息しています。
この潮の干満差を利用した古くから伝わる漁法が「スクイ」です。スクイは遠浅の海岸で、陸から海に向かって半円形に組まれた石垣を作り、満潮時に水没する石垣の中に入り込んだ魚を干潮時に捕まえます。スクイは漁船による漁業が発展するにつれて利用されなくなっていきましたが、地域の方々が今もスクイの保全活動を行っています。
このスクイは長崎県内のジオパークである五島列島の福江島にも見られ、福江島の三井楽地区では「スケアン」、富江地区では「スケ漁」と呼ばれています。五島列島でも島原半島と同様に、スクイを教育や地域振興へ活用し、地域の方々が石垣の修復や保全等を行っています。昔からの地域の伝統を守り、未来へ引き継ぐことがジオパークの活動の目的の1つです。
今年の小・中学校の夏休みの自由研究のテーマとして、スクイの違いについて島原半島と五島列島を訪れて調査するのも面白いかもしれませんね。
■第67回ジオ空(そら)教室(子ども向け)
◇夏休みのわくわく体験!
~サップとアクセサリー作りで海について学ぼう~
ジオパークの見どころをサップ体験しながら見学。みんなで海のゴミ拾い(30分程度)をしたあと、海洋ゴミに関する話やアクセサリー作りを行います。
とき:7月28日(日)10時~13時(受付開始9:30~)
集合場所:南島原市加津佐前浜海水浴場B and G海洋センター
参加費:無料
その他:18歳未満は、保護者同伴。
小学4年生未満は、保護者と2人乗りのサップ。
定員:10人
服装など:海に入れる服装、ゴーグル、着替え、タオル、帽子、飲み物
※海に入るので水着に着替え、日焼け・熱中症予防対策をしてご参加ください。
締切り:7月17日(水)
申込み:氏名、住所、性別、生年月日、電話番号を記載したメールまたは電話で申込み。
問合せ先:島原半島ジオパーク協議会
【電話】65-5540
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