地方自治体には、町税や交付金を財源とする一般会計のほかに、各種保険加入者が納める保険料や、町民のみなさまから徴収している水道使用料などの『特定の歳入』を財源として運営すべき事業会計があり、それらを特別会計、もしくは公営企業会計として管理しています。波佐見町には3つの特別会計と3つの公営企業会計がありますが、多くは会計単体での独立採算が難しく、一般会計からの繰出金、補助金等を受けながら事業を実施しています。
◆国民健康保険事業
主な歳入は、国保加入者からの保険料や県支出金です。
歳出については、医療費が全体の7割以上を占めており、県に事業費納付金を納めることによって医療費全体が県から支給される仕組みとなっています。また、県からの交付金等特定財源を差し引いた額を保険料として徴収しています。
前年度と比較すると、被保険者数の減少に伴い、医療費は減少した一方、1人当たりの医療費は未だに高水準にあるため、今後もその抑制に向けた予防事業への取り組みが必要です。
◆後期高齢者医療保険事業
主な歳入は、保険料及び繰入金です。被保険者数の増加により、保険料は前年度より約230万円増加しています。これらは、歳出のほとんどを占める広域連合納付金として支出されます。
後期高齢者医療は、県単位の医療保険制度であるため、各市町が納付金として資金を出し合い、統括する広域連合で医療費等の支払いが行われています。
◆介護保険事業
介護保険では、高齢者自身が元気なうちから介護予防に取り組み、介護が必要な状態になっても住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、サービス給付や各種事業を行っています。
少子高齢化と共に、高齢者を支える担い手不足が深刻化する中、医療と介護の連携、認知症に関する施策、住民同士の支え合いなど、高齢者を取り巻く環境を包括的に支える「地域包括ケアシステム」の必要性が重視されています。今後も「誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるまち」を目指した支援を行い、安定した介護保険事業の運営に努めます。
◆上水道事業
上水道事業は公営企業会計を適用しており、投資に関する収支と、収益に関する収支に分けて表記します。なお、収支の不足分に対しては、過年度分損益勘定留保資金等を充当します。
投資については、老朽管や他の工事に伴う配水管の布設替工事と電気設備改修工事を実施しました。
今後も事業・経営の効率化・健全化を図りつつ、水道の安定供給に向けて年次計画的に取り組みます。
◆下水道事業
令和5年度から公営企業会計へ移行しました。
下水道使用料や下水管布設完了に伴う受益者負担金により運営を行っています。収入が不足するために行っている一般会計からの補助は、主に公債費(借金の返済費用)に充てています。
なお、令和5年度末時点で、事業認可区域内の下水道整備率は96.7%です。引き続き、井石地区の管渠工事を実施し、公共下水道の整備を図るとともに、未接続世帯への接続勧奨通知などにより下水道接続の普及に努めます。
◆工業用水道事業
工業用水道事業も公営企業会計を適用しています。原則として費用と収益をバランスさせる必要がありますが、対象となる企業が1社であることから、維持管理費用等を賄うだけの収入があるとはいえず、一般会計からの補助金の投入を行う必要があります。
また、平成30年度より企業債償還金が始まっているため、今後も維持管理費の節減に努めます。
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