文字サイズ
自治体の皆さまへ

こんにちは歯科医師です

25/36

長崎県波佐見町

◆噛むことについて
先日、他県の学校給食で出されたゆでたうずらの卵を、噛まずにそのまま飲み込んでのどに詰まらせて、残念ながら亡くなるという事故がありました。この事故は、噛むという行為を行っていれば十分防げた事故ではないかと我々歯科医師は考えます。
最近、我々歯科医師の間で問題になっているのは、噛まずに丸飲みする人が増えているということです。これは、子どもだけではなく大人、特に若い世代にも共通する問題です。
人間がものを噛んで食べるという行為は、離乳期から始まります。
最近は離乳食など市販のおいしくて離乳期に適した食品が出回っており、これはこれでなかなか良いことです。しかし、その後の乳歯が生え始めて食べ物を噛み始める時期に、そのまま市販の離乳食を与え続けたり、手づかみで食べることをあまりさせず、いきなり飲み込むのにちょうどいい大きさの食べ物でスプーンなどを使わせるということが、その先に問題を起こす可能性が高いということになります。
周りが汚くなるので手づかみ食べをあまり勧めないということも聞きますが、できるだけ手づかみ食べを勧めてください。手でつかむことで、その食べ物の硬さや大きさなどを把握する能力が身につき、その食べ物をかじる必要があるか、どのぐらい噛めばいいかを予想することができます。
特に離乳期以降は、初めて食べる固形の食べ物だらけですから、その情報を口に含む前に口の外の「手」という器官でセンスする、という大切な時期です。それが、やがて「噛む」という人間が食物をとるうえで非常に重要な行為の基本になります。その時期を省略すると、丸のみの習慣がついてしまうことが多いという指摘もされています。
保護者の皆さんは、離乳期以降の食べるという行為を、噛むというトレーニングの場でもあると理解していただければと思います。

大村東彼歯科医師会波佐見班 岩沼 健児

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU