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健康一口メモ 455号

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長崎県波佐見町

◆手の痺れについて
にいむら整形外科 新村 哲也

上肢(肩~手)には、橈骨(とうこつ)神経・尺骨(しゃっこつ)神経・正中(せいちゅう)神経という3本の大きな神経があります。これらの神経が圧迫を受けると痺れが生じてきます。
代表的な神経麻痺について紹介します。

1 橈骨神経麻痺
ハネムーン麻痺とも言われています。橈骨神経は上腕部背側を通っており、腕枕をしたり子供やパートナーの頭を上腕に乗せて寝た後に目を覚ました際に手が痺れたり、指や手首が動かしにくくなる事があります。
橈骨神経は知覚神経として、親指と人差し指の皮膚の感覚を伝え、運動神経として指や手首を背側に挙げる役目があります。このため上腕部背側に圧迫を受けると痺れや麻痺を生じます。圧迫がとれると神経は次第に回復し症状も改善してきますが、圧迫の程度が強く回復に時間がかかる場合には麻痺による筋肉の萎縮が生じない様に投薬や電気刺激療法が必要となります。

2 尺骨神経麻痺
肘部管症候群とも言われています。尺骨神経は肘関節の内側を通っており、肘の内側をぶつけた際に肘から前腕にかけてジーンとした痺れ感を経験した事があると思います。神経は肘の内側部の靭帯で固定されています。この靭帯が厚くなったり、骨が変形したりして神経を圧迫すると、手の小指や薬指に痺れが生じてきます。幼少時の肘の骨折の後遺症として発症する場合もあります。神経麻痺が進行してくると手指の感覚や、手指の筋力(親指で物を挟む・小指、薬指を曲げる)が低下してきます。
治療は投薬等を行いますが、症状が進行した場合は圧迫している靭帯を切開したり、神経を移動させたりする手術療法が必要となる場合があります。

3 正中神経麻痺
手根管症候群とも言われています。手掌(手のひら)の中央を通っている神経です。長年手を使う事で正中神経の上にある靭帯が厚くなって神経を圧迫する事で発症します。手関節の骨折の影響で発症する事もあります。母指から中指にかけての痺れから始まり、進行すると手指の感覚、握力の低下やつまみ動作のしづらさが生じてきます。
治療は投薬等を行いますが、症状が進行した場合は靭帯を切開する手術が必要になる場合があります。
長期間放置すると手術をしても回復が不十分となりますので整形外科への早期の受診をお願いします。

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