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健康一口メモ 458号

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長崎県波佐見町

◆脂肪肝と脂肪肝炎
波佐見病院 内科 福山邦昭

みなさんは脂肪肝という言葉をご存じと思います。では脂肪肝炎はどうでしょうか?
検診で「少し(かなり?)肥満気味で肝臓に脂肪が溜まっているので減量しましょう」と言われた方も多いと思います。我が国では成人の約3割が脂肪肝だと言われております。脂肪肝が肝臓に脂肪が溜まり肝臓が白く肥大した状態です。
以前はアルコール性でなければ脂肪肝そのものは肝硬変や肝臓がんとは無関係と思われていました。しかし、20年ほど前から非アルコール性脂肪肝(英語の頭文字をとってナッシュ(NASH)と呼びます)が話題に上り、NASHは肝硬変や肝臓がんに進行する事がある事が分かってきました。
ちなみに非アルコール性とはアルコール量が1日20g(ビールで500ml、日本酒で1合、チューハイで350ml)以下の場合です。
脂肪肝炎は脂肪肝に活性酵素等による酸化ストレスが加わり肝臓に炎症が生じた状態です。正常の肝細胞が繊維組織に置き換わりそれが続くと肝臓が次第に硬くなって最後は肝硬変や肝臓がんになります。脂肪肝に1-2割がNASHでNASHの2-3割が肝硬変や肝臓がんに移行すると言われています。
現在NASHの確立された治療はありません。肝臓の脂肪を減らすことができる薬はありません。しかし、脂肪肝では3%、脂肪肝炎は5%の減量で肝機能が改善する事が知られています。肥満の方や標準体重内でも若い頃に比べてお腹に肉がついてきたと思われる方は減量を頑張りましょう。
お菓子や冷凍食品等に使われているショートニングやマーガリン等に含まれるトランス脂肪酸はLDL(悪玉)コレステロールを上昇させ、酸化ストレスを増大させます。脂肪肝や高脂血症(今は脂質異常症と呼びます)の方はなるべく摂取を控えましょう。
ところで、欧米ではalcoholic(アルコール性)という言葉が「飲んだくれ」を意味して差別的だという事で代謝性(metabolic)を表すMASH(マッシュ)という病名に変更されました。近いうちに日本でも新しい名前が決まりそうです。
肝臓が硬くなっているかどうかを年齢や肝機能(AST,ALT)、血小板数(肝機能が悪くなるほど低下します)で判断できるFIB-4indexという計算式があります。インターネットで肝臓、繊維化等で検索すると計算できますのでお試し下さい。

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